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棒


週刊?裏辺研究所第11回
これで・・・。貴方はファンタジー小説が書けなくなる!

裏辺金好 オ〜ハワユ〜。雑学から受験対策、旅、鉄道、歴史、生物学、法律まで何でも研究する、裏辺研究所の所長・裏辺金好(うらべ かねよし)です。
堤田倫太郎→ オッス!財務大臣をやっている堤田倫太郎(つつみだ りんたろう)です。で、今回はファンタジーをリアリティーに変えることで、小説を書けなくしてしまおうというとんでもない企画のです。何でそんなコーナーを作るかというと、世の中にある小説のレベルを上げたいからです。少しでも、ありきたりな小説が減って欲しいというのが我々の願いなのです。

裏辺金好 いやあ、とにかくやりたいからやるだけなのでおじゃる。まあ、深く気にしないでたもれ。
堤田倫太郎 おお!平安貴族調のしゃべり方!最近控えていなさるので、久しぶりに拝聴しました。さてさて、連載ものになるか解りませんが、「書けなくなるシリーズ」、今回のお題・シチュエーションは、「敵同士だった者が手を組み、新たなる驚異に立ち向かう」です。

裏辺金好 ふむ。お題か。懐かしい響きじゃ・・・。さて、こういったシチュエーションでよく登場するのが次の台詞だな。
「勘違いするな。決して貴様と馴れ合うつもりはない。貴様との決着はいずれつけるつもりだ。だが、その前にこいつを倒ねばならぬことぐらい解っているつもりだ・・・。」

堤田倫太郎 ええ。そうですねぇ。よく登場します。具体的にはスーパーロボット対戦αとか・・・。あと、ドラゴンボールなんかでもあったような気がしますね、類似台詞が。で、この2人(または複数人)は、新たなる敵を倒した後、結局馴れ合ってしまうのですが・・・。

裏辺金好
 そんなのウソだね。すべてが終わった後、決着をつけるに決まっているじゃないか。で、どちらかが負けて天へ旅立つのさ。いや、それ以前に新たな敵を倒せないと判断する。そりゃそうだろう。だって、急場しのぎで出来たチームに統率が働くはずがない。きっと、こうなる・・。
「なんだと!今の攻撃がミスしたのは俺のせいだというのか!」
「ああ、そうだ。貴様が的確に俺の支援をしてくれていればこうはならなかった・・。」
「言ったなぁぁぁぁぁ!」

または・・・。
「グワワワァワァァァァ!」
ライバル(かつての敵のことだね)が集中的に敵のダメージを受ける。ここで、主人公のとる行動。
「しめた!敵の攻撃が奴に集中してくれている。ここは漁夫の利をとらせてもらおう・・。」


堤田倫太郎 そうですね。それが多そうですね。そして、こういったシチュエーションを見事に再現しているのが、この前のアフガニスタン。北部同盟のドスタム将軍ラバニ前大統領の派閥抗争です。あくまでタリバンを倒すためだけに作られた勢力ですから、タリバンを倒せばそれでおしまいなのですね、本来は。ところで所長?敵同士の2人が戦っているときに、新たな強大な敵が登場した場合、他にどんなケースが考えられます?

裏辺金好 う〜ん・・。例えばこんな感じ。一番あり得そうなのは、新たな強大な敵にそれぞれ立ち向かい、各個撃破されるケース。もう一つは、新たな強大な敵に支援を求めようとすること。俺の味方になってくれ、または、お願いします、あいつを倒してくれ!という感じで。

 または、ちょっと違うケースかもしれないが、日本の南北朝時代。天皇家が二派に分かれていた時・・・。足利尊氏率いる北朝は、後醍醐天皇とその子孫の南朝と戦っていましたよな。ところが、足利尊氏の弟の足利直義は、尊氏の家臣との派閥抗争で、窮地に立たされ、尊氏から独立します。そして直義はあろうことか、敵のはずの南朝に降伏します。これは、おたくが正義だ!と南朝の朝廷に言ってもらうためね。

 ところがどっこい。それからしばらくして、今度は尊氏も南朝に降伏します。幕府の実力者は当然、初代将軍の尊氏だから、南北朝の合一に信頼できる人物ですな。南朝は尊氏にすり寄ったわけだ。結果、直義らは敗北し(別に南朝が裏切ったからだけではないが)、尊氏が勝ちますな。それから、この戦いで漁夫の利を得ようとした南朝は、尊氏の孫の義満によって、事実上皇位を北朝に持ってかれてしまうわけです。漁夫の利を得ることは出来なかった。無為無策をしてたらそれでおしまい。まあ、こんな話もありますね。

堤田倫太郎
 わ〜、難しいお話ですね。では、第1回はこれで終わりますか。では、この企画が長く続くことを祈り・・・。しかし・・・週刊?裏辺研究所がこのコーナーに変更にならないようにしなきゃな。
棒

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