週刊?裏辺研究所第12回 これで・・・。貴方はファンタジー小説が書けなくなる!
パート2:ヒーローとヒロインのその後
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裏辺金好 オ〜ハワユ〜。雑学から受験対策、旅、鉄道、歴史、生物学、法律まで何でも研究する、裏辺研究所の所長・裏辺金好(うらべ かねよし)です。
堤田倫太郎→ オッス!財務大臣をやっている堤田倫太郎(つつみだ りんたろう)です。
で、今回もファンタジーをリアリティーに変えることで、小説を書けなくしてしまおうというとんでもない企画のです。何でそんなコーナーを作るかというと、世の中にある小説のレベルを上げたいからです。少しでも、ありきたりな小説が減って欲しいというのが我々の願いなのです。
裏辺金好 いやあ、とにかくやりたいからやるだけなのでおじゃる。まあ、深く気にしないでたもれ。
堤田倫太郎 てなわけで、第2回でございますね。今回のお題は、「ヒーローとヒロインのその後」です。
裏辺金好 ふむ。大部分のファンタジー小説やゲームでは、必ずヒーローとヒロイン、そしていわば淡い恋愛関係というのが出てきて、読者やプレイヤーをはめてしまうな。
堤田倫太郎 その通りなのです。考えてみれば、自分が「もてている」わけではないのですが、どうしても気になってしまうのですよね。ところで、こういった関係の出てこない作品ってありますかね?
裏辺金好 そりゃあるさ。ドラゴンクエストVなんてその代表作だろう。もちろん、主人公達以外なら出てくるがね。にしても、たいていのファンタジー小説の場合、恋愛関係かもしれない微妙な感じのまま物語が終わるのだが、納得がいかん。最後まできちんとラストを見せて欲しい。
堤田倫太郎 そうですね。そして、所長はこういいたいのでしょう。「で、結局のところいつ離婚するんだ?」
裏辺金好 う・・・。もう、考えはバレているな。だってそうじゃろう。常識的に見れば、物語終了後、ヒーローとヒロインは挙式して家庭を持つと、まず解釈できるな。
堤田倫太郎 しかし、現実は甘くないとおきまりの所長の考えというわけです。まあ、それを否定してしまったらこのコーナーは成り立たないわけで。
裏辺金好 そう、そこで今回もシチュエーションを考えてみた。
ヒーローが、ヒロインやその仲間達と共に、魔王(またはそれに準ずるもの)を倒したあと・・・。
まず、当然のように新聞やなんかで、ヒーロー達の活躍が取り上げられ、引っ張りだこになる。そして、結婚宣言をすれば、もう世間は世紀の結婚に、てんやわんやの大騒ぎ〜。
ところが、
楽しいのは3年ぐらいまでかなぁ。
まず、大抵のファンタジー小説の場合、出会ってすぐ恋愛みたいな感じになる場合が多いから、
次第にお互いの悪い面が見えてくるわいな。食生活の違いで喧嘩が始まったりするでしょう。
それから、
どちらが家事を担当するかでも喧嘩。また、共働きか、主婦(主夫)かでも喧嘩。さらに、子供が生まれれば
子育てをどうするかでも喧嘩が始まる。
ここを乗り切るケースももちろん考えられる。しかし、その場合、ファンタジー小説内ではヒロインを引っ張ることが多かったヒーローは、完全に「
かかあ天下」に陥るであろう。
また、
ヒーローにいつまで仕事があるかどうかも問題だ。最初の頃は、講演会やその他があるものと思うが、それに頼り切りになっていると、危険だ。なぜなら、どんなに世界の危機を救ったとしても、いつしか人はその恩を忘れるものだ。だが、ヒーローはいわば、仲間を取り仕切っていた人物であるから、なかなか人に頭を下げるということができないだろう。すなわち、一般企業への就職が難しい。
いつしか、仕事は完全に途絶え、家の中にいることが多くなる。そこで、いっそのこと農業でもはじめたり、また十分にお金が貯まっているのであれば、趣味を見つければ問題ないが、しかし、そうでないと一日中家にいることになり・・・。
そして、いつも顔を合わせるヒロインも、出会った頃はすら〜っと細身だったが、いつしか前と横に大きくなり、見事にお太りになられた。そして、何もやることのないヒーローは、何の気無しに致命的な一言を言う。
「
少し痩せたらどうだ。」
この場合、特にヒロインに仕事があった場合なんかは即離婚である。もちろん、ここで天然ボケのヒロインなら
「そうねぇ、エステにでも通おうかしらぁ。」とか
「あら、太っているのは金持ちの証拠よ」
なんて言って、危機を回避する可能性もある。または、そもそもヒーローも、太ったヒロインを「お袋さん」のように慕う可能性だってある。
しかし、その後も仕事が見つからず、家の中でグータラして、ひたすら
「お茶!」「酒!」「メシ!」
などと子供のような行動を繰り返すヒーローであれば離婚につながると想像できる。
裏辺金好 いかがだろうか。なんと恐ろしい話だと、読まれた方は思っただろう。他にも、ヒーローが王様にでもなった場合は、愛人や側室の問題でヒロインとの関係が泥沼化したり、また逆に、ヒロインが愛人を作って逃げてしまうという事例も当然考えられる。
堤田倫太郎 あ、そういえばこんな話もありますね。それは、
ファイアーエンブレム聖戦の系譜のストーリー。あれは、結婚したあと、奥さんが悪い奴にさらわれ、記憶を消されて他の男に寝取られてしまい、しかもみんな殺されてしまうという、ある意味鬼畜的なストーリー・・・・。ああ、何はともあれ、今回私が強調したい点。それは・・
ヒロインだって、10年、20年たてば、単なる太ったオバサンよ。
裏辺金好 ふふふ、今回もみんなの夢と希望をぶちこわしてしまった。それから当然・・
ヒーローだって、10年、20年たてば・・・(以下略)
堤田倫太郎 もちろん、いつまでも若く健康的な場合もあると思いますがね。特に、運動が好きな人なら。しかし、せめて破局を迎えないシチュエーションを提示はできないのでしょうか。
裏辺金好 うん?もちろん可能じゃよ。だって、当然死ぬまで愛し合っているお目出度い人達もいるだろうし、また、もっと感動的な場合、年取ってから先にヒロインに死なれたら、後を追って死んでしまうヒーローも出るかもしれない。ただ、私が今回言いたかったのは、多くのヒーローとヒロインは、突然出会って、突然恋愛しているという点じゃな。芸能人を見ていれば解ると思うが、短期間一緒に仕事をしてただけですぐ結婚した場合、割合として離婚率が高いと言うことだな。
堤田倫太郎 にしても所長、今回はどちらかと言えば一般論になってしまった気もしますね。わざわざヒーロー達に限定しなくてもよかった気がします。
裏辺金好 うんにゃ。一般論をヒーロー達に適用することが楽しいのじゃ。あと、物語の主人公が女性だった場合も考えたら面白かったかもな。ではでは。今回はここまで。
堤田倫太郎 そんなストーリーを使って誰か小説を書いてください。