(10)大連〜人民大広場、新型路面電車と「快速電車」
大連・瀋陽旅行最終日。瀋陽から再び大連に戻り一泊し、本日は大連駅南西にある大連市人民政府などの戦前の建築と、新型の低床車両導入でイメージを一新した202路の路面電車、そして中国では珍しい通勤型電車がバンバン走る都市型鉄道「快速電車」を少し見て、名残惜しいですが成田空港への帰路につきます。
朝食
やはりバイキング形式で、朝から色々なものを美味しく食べます。あ〜幸せ(笑)。さて、ホテルからタクシーに乗って、一気人民広場へ向かいます。
大連市人民政府(旧、関東州庁)
1937(昭和12)年築。日本が大連を統治するために設置した関東州の中枢部。なお、日露戦争後に大連や旅順を租借した日本は、その権益を守る機関として1906年に関東都督府を設置します。これは1919年に関東庁、1934年に関東州と組織変更が行われます。また、この関東州と満鉄附属地を守る軍隊が、関東軍です。
ちなみに、関東とは万里の長城の東端である「山海関」の東という意味で、日本の関東とは関係ありません。
大連市司法局(旧、関東州高等法院)
大連市人民政府に向かって、左手にある建物。
大連市公安局(旧、警察訓練所)
大連市人民政府に向かって、右手にある建物。日本統治時代の建物が、三角形の位置に現存しています。
交通整理
日本ではめっきり見かけなくなった、交通整理の警察官は、大連ではまだ現役です。
郵便ポスト
中国の郵便ポストは緑色。最初、何の箱かと思いました(笑)。
近代建築
人民大広場近くを散歩。ところどころ、戦前のものと思われる建築が見られます。
近代建築
風景
そして再びタクシーを捕まえ、路面電車撮影の旅に出かけます。初日は日本時代の面影を残す203路を撮影しましたが、今回は202路を撮影にいきます。
会展中心駅
軌道が改良されイメージを一新した202路。興工街〜黒石礁〜小平島前で運営される路線で、大連駅には乗り入れません。
路面電車
路面電車とはいいますが、202路は御覧のように大部分が専用軌道。そのおかげでスピードもかなり出します。線形が比較的真っ直ぐなのも高速運転に適していますね。
路面電車
202路で運転される3両編成の連接車両。70%の部分低床車両です。ちなみに運転間隔は非常に狭く、次から次へとやってきます。乗客もかなりいました。
バスとの接続
路面電車の停留所とバスの停留所が兼用されており、その接続は抜群。日本では広島電鉄や富山ライトレールなどの一部の限られた例しかなく、ぜひ「公共交通」というくくりで、利便性向上の政策を実現してもらいたいですね。
日本時代の住宅
この付近は日本時代の高級住宅が数多く残っているエリアです。
日本時代の社宅群
高級住宅とは別に、日本時代の社宅が残っているエリアも。少しずつ再開発等で消えつつありますので、記録できるうちに記録するのがオススメ。
日本時代の社宅群
この辺も是非歩いてみたかったのですが、時間の都合で泣く泣く省略。再開発が次々と進む大連ですが、次回訪問するとき(・・・いつになるか解りませんけど)、まだ残っているでしょうか。
大連市内
タクシーで大連駅方面へ戻ります。
大連駅前
様々な形の高層ビルが建ち並ぶ大連駅前周辺。
大連駅
前回紹介した大連駅は、日本時代の上野駅風の建築でしたが、北口(・・・と言うのかな?)はイメージは南口に揃えつつも、現代的なデザインへとアレンジされています。
快速電車大連駅
大連駅と経済開発技術特区を経由し、リゾート地である金石灘に至る都市型鉄道「快速電車」の駅。2002年秋に開業しました。なお、国鉄の大連駅と直接は接続していません。
駅前の様子
快速電車大連駅改札口
快速電車の車両
中国では珍しい「通勤電車」。運転本数も多く、この流れが国鉄に今後波及することはあるのでしょうか?
快速電車の車内
快速電車車窓
快速電車車窓
高架の路線で、大連湾に沿って走ります。
快速電車の車両
さて、このまま終点に向かうわけではなく、適当なところで下車してタクシーを捕まえます。たしか、金家街駅で下車したんだったか。
快速電車の線路
なかなか頑丈そうな立派な設備を有しています。
駅舎
タクシーで空港へ向かっていると、国鉄の古そうな駅舎が目に入ってきました。
大連周水子国際空港にて
そして空港へ到着(ちなみにタクシーで移動する途中、何を血迷ったか軍事施設にカメラを向けようとしてムスタファさんに制止されました)。上写真は空港で撮影した飛行機で、エンブラエルERJ145という機体だそうです。
大連周水子国際空港にて
こちらは厦門(アモイ)航空の飛行機。中国南方航空の傘下の航空会社です。
帰路
こうして実は小さなカバン1つで旅行するという、そもそも無謀な挑戦に出てムスタファ氏に散々迷惑を掛けまくった所長の大連・瀋陽旅行は終了。前回の台湾旅行と同様、日本史の部分がかなり濃かったような気もしますが、大満足。そして、どこへ行くにも気軽にタクシーを使ってしまいましたが、日本では普段やらないだけに、ちょっと感覚が狂ってしまいますね(笑)。