(7)ヴァチカン美術館とシスティーナ礼拝堂

さて、ヴァチカン美術館の入り口へ。事前にネットで午後3時の入場を予約していましたので、入口正面の係員に見せると直ぐに入れてくれたのですが、そうでない場合は延々と続く長蛇の列に並ぶ羽目に。しかも優先は事前予約者で、中には団体客もいますので、全く先に進みません。

 そして中に入っても荷物検査に、チケット引き替え手続きがあるのですが、これはイタリアの窓口全てに言えることなのですが、とにかく遅い上に数も少ない!挙げ句に客もマイペースですし、学割が利くのか等の問い合わせにも互いにマイペースに応答しているので、全然先に進みません。

 ともあれ、もしヴァチカン美術館を訪問する場合は、ネット予約は必須です。

 最初に飾られていたのはローマの初代皇帝アウグストゥスの彫像のレプリカ。随分色鮮やかですが、最近の研究ではギリシャ芸術などは当時、神殿も含めて彩色されていたそうで、ローマの芸術も本当はこんな感じだったのでしょう。

 さて、このヴァチカン美術館は、元々は14世紀にフランスのアヴィニョンに囚われていた教皇がローマに帰還を果たした際に住居とした宮殿で、現代ではその多くを美術館として公開しているものです。

 歴代の教皇たちのコレクションというだけあって、古代ローマや古代エジプトを皮切りに、世界中の財宝が集まっています。とても、1日で見られるような規模ではありません。

 また見逃せないのが、システィーナ礼拝堂。法王の公的礼拝堂で、法王選挙の会場となる場所ですが、ここに描かれているミケランジェロの「最後の審判」は、一度は何かで見たことがある人も多いはず。

 この礼拝堂のみ写真撮影が禁止だったので、中庭に展示されているパネルでご勘弁ください。実物はもっと色鮮やかで、そして巨大な絵でした。


 礼拝堂はこのほかにも左側の壁面にキリスト伝、右側の壁面にモーゼ伝を描き、さらに天井には旧約聖書の創世記が描かれています。ちなみにシスティーナ礼拝堂までは美術館内部を経由し、非常に遠いのですが、引き返すことは出来ないので、見たい美術品が途中にある場合は、見逃さないように注意が必要です。

教皇の住居ですから、当然展示している美術品だけでなく、建物自体が芸術です。

 こちらはタペストリーの展示。

 個人的に面白かったのが、1580年〜83年に、当時のイタリアと教皇領を描いた地図の間。幅6m、長さ120mの大ギャラリーの壁面に、大きな地図が飾られているのですが、非常にリアルだったのと、一部には当時の町並みも描かれていたのに驚きました。まずは、コルシカ島。

 こちらは現在のトスカーナ州。

 その地図の中に、後ほど行くことになるフィレンツェが描かれていました。中央には、既にサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂が描かれていますね。また、フィレンツェも城壁に囲まれた都市であることが良く解ります。後ほど紹介しますが、一部はまだ現存していました。

 こちらは当時のイタリア半島の地図。いやはや、随分とリアルです。

 地図の間は天井の装飾も凄いです。

 こちらはジェノヴァ。

 ヴェネツィア。

 さて、ヴァチカン美術館の奥へと進んで行き、システィーナ礼拝堂を見て戻ります。


 ・・・が、最初は訳もわからずドンドン奥へ進んでしまい、古代ローマの美術などを見忘れたので、最初の方だけ改めて訪問することにします。で、帰国後に気がついたのですが、有名なラファエロの間などを見忘れるという・・・。こちらは、1世紀に造られたヘラクレスの像。


 こちらは2世紀にローマで造られたセレスの像。元々はギリシャで紀元前430年ごろに造られたものをコピーした・・・というようなことが書かれていたような。あと、頭も当時のものではないよ、とか。

 歴史好きにはたまらない、こんなものまで多数。
 こちらは新アッシリア王国の国王、サルゴン2世(位 紀元前722〜705年)の碑文。ドゥル・シャルキン(サルゴンの砦の意、現コルサバド)にあったサルゴン2世の宮殿跡から見つかったものです。楔形文字が書かれていますね。

 こちらは紀元前8500年前〜3000年前のシリアやパレスティナで使われていた土器・・・のようです。

 古代エジプトのミイラを入れる棺。・・・色々と撮影しましたので、本来であれば全部紹介したいのは山々なのですが、いつまで経っても終わらないことは明白なので、また機会があればブログか、追記などで紹介していきたいと思います。

 さて、日も暮れてきましてサン・ピエトロ大聖堂が幻想的な雰囲気に。

 ライトアップされたサン・タンジェロを撮影し、ローマ・テルミニ駅へバスで戻ります。

 ライトアップされたサン・タンジェロを撮影し、ローマ・テルミニ駅へバスで戻ります。・・・折角駅に着いたんですから、少しだけ撮り鉄・・・ということで、トレニタリアのETR600「フレッチャアルジェント」。

 普通列車も撮影しておきました。

 夕飯は駅近くのレストランで。どうやら英語が出来る店員が極端に少ないようで、なかなか応対してもらうのに苦労しましたが、パスタはスパゲッティも数ある麺のうちの1つ、様々な太さや形などの種類から選ぶことが出来たのには驚きました。

 ということで、私はこんな麺でカルボナーラにしてみました。日本で売っているフェットチーネのような感じで(さらに平べったいかも)、非常に面白い食感で美味しかった・・・のですが、中に入っている肉の味が非常にしょっぱい。パスタ自体の塩味も強く(肉のせいでそう感じたのかもしれませんが)、残念ながら残り僅かを残してギブアップしてしまいました。しかも、あごも疲れてきた・・・。

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