2.アムステルダム散策 その3


 続いて、王宮から東側へ進んでいきます。途中で見つけたこのお店、以前にテレビ番組で紹介していた屋台に似ていたので、ちょっとお邪魔することに。


 お目当てはこちら、ハーリングという、若いニシンを生の状態で酢漬けマリネにした料理です。中世のオランダで生み出された伝統料理で、少し塩を利かせて発酵させているのが、美味しさの秘訣。キュウリのピクルスも嫌味のない味で、大変美味しくいただきました。じゅるる♪


 そして相変わらずの運河風景を見つつ・・・。


 オランダ東インド会社の本社だった建物を見ます。オランダ東インド会社とは、1602年にオランダ連邦議会の決議で、過当競争を避けるために、アムステルダム,エンクハイゼン,ホールン,ロッテルダム,デルフト,ミッデルブルフの6か所に散在していた会社を統合して誕生した、植民地経営を目的にした世界初の株式会社。

 正式には連合東インド会社といい、商業活動以外にも、条約の締結権・軍隊の交戦権・植民地経営権など喜望峰以東における諸種の特権が与えられた国家規模の権力を持つ組織でした。オランダ語では、Vereenigde Oostindische Compagnie、略称VOCと表記します。

 インドネシアを拠点に、マレー半島、スリランカ、日本で大きな影響力を持ちますが、イギリスなどとの植民地競争が激化し、前述のようにオランダ本国がナポレオン軍に占領されるなどする中で、1799年12月31日に解散しました。本社の建物は1606年の建築で、西教会や南教会と同じく、ヘンドリック・デ・ケイゼルの設計。

 現在はアムステルダム大学の一部として使用されています。


 南隣の建物も何やら立派です。間口が狭い建築が多い中、これだけ広い建物というのは、さぞ重要な建物だったのではないでしょうか。


 ・・・などと思っていると、目の前を馬車が通過していきました。観光用??

 東インド会社の話を出したので、1月1日に撮影したものですが、アムステルダム中央駅から東へ約15分ほど、オランダ海洋博物館の裏手に係留されている、帆船アムステルダム号を御紹介しましょう。18世紀に東インド会社で使用されたものを復元したもの。当時は、こんな帆船を使って大航海をしていたんですね。


 こちらがオランダ海洋博物館。宮殿のような建築ですが、元々は1656年に建てられたオランダ海軍最大の倉庫。1973年から博物館として使用され、2011年にリニューアルされました。

 余談ついでに、その近くにあるヘット・スヘープファルトハウス(船舶館)もご紹介。1928年に建築されたもので、J.M.ファン・デル・メイの設計で、船舶会社の威風を建築デザインしました。現在はホテルとして使用されていますが、元々はアムステルダムの船舶会社6社の共同事務所でした。

 この様式の建物はアムステルダム派と呼ばれる建築様式の第1号で、煙突に沿ったたくさんの石積み、屋根の棟や枠どりが特徴です。


 話を戻して、東インド会社本社から少し東へ。なかなか全景を撮影するのが厳しかったのですが、南教会です。1611年の建築で、これもヘンドリック・デ・ケイゼルの建築。日本にオランダが来航したころ、アムステルダムではヘンドリック・デ・ケイゼルという建築家があちこちで活躍していた、ということですね。


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