クラス230「D-Train」
British Rail Class 230 'D-Train'
ウェスト・ミッドランド・トレインズ(WMT)でデビューしたクラス230。同社のブランドであるロンドン・ノース・ウェスタン鉄道の塗装が施されている。写真はベドフォードに向かう23004編成。
(写真:Bow Brickhill - Woburn Sands)
●基本データ
デビュー年 | 2019年 |
製造会社 | ヴィヴァレール (Vivarail) |
最高速度 | 100km/h |
運行会社 | ウェスト・ミッドランド・トレインズ(WMT) トランスポート・フォー・ウェールズ(TfW) |
●ロンドン地下鉄の車両を改造した地方ローカル線向け気動車
当時、イギリスでは慢性的な気動車不足に悩まされ、車両確保のために客車列車を借り出す運行会社も少なくなかった。そこで、その需要に安価かつニーズに応じて自由にカスタマイズ出来る列車として誕生することになったのだが、イギリス運輸省が新規フランチャイズ契約に新造車両の投入を高く評価する傾向もあって、実際の発注数は少ないのが現状である。
さて、クラス230は直流電車だったD Stockを改造しているが、様々な動力源が使用できる設計になっている。試作第1編成の230001はディーゼル発電機とモーターを備えた電気式気動車だが、続いて登場した230002は蓄電池とモーターを搭載した蓄電池搭載電車である。
ウェスト・ミッドランド・トレインズ(WMT)が運用する2両編成×3本は電気式気動車として誕生し、4ドアから2ドアに改造(※中間のドア2つを埋め込み)。車内はセミクロスシートでバリアフリー対応トイレを設置。一部にはUSBコンセントも設置された。
一方、トランスポート・フォー・ウェールズ(TfW)で運用する3両編成×3本は電気式気動車に蓄電池を搭載したハイブリッド車両となっている。
(解説・撮影:秩父路号、2020年5月更新)
●ギャラリー
ウェスト・ミッドランド・トレインズ(WMT)のクラス230車内。
同じくウェスト・ミッドランド・トレインズ(WMT)のクラス230車内。こちらはバリアフリー対応トイレの様子。
ウェスト・ミッドランド・トレインズ(WMT)のクラス230の側面ロゴ。
ブレッチリ―駅に停車中の230005。
試作車両である230001。2016年に落成し、以来試験線と本線で試験運転を行った。
試作車両である230001の車内。地下鉄時代の頃から座席配置は同じ。モケットが更新されて半自動ドア操作用のボタンがついたくらいの違いと思われる。
クラス230のベースになったロンドン地下鉄のD Stock。1980年から2017年までディストリクト線で使用された。
(写真:Kew Gardens)