FS ALn663気動車
(写真:ローマ・テルミニ駅/撮影:裏辺金好)
●基本データ
デビュー年:1983年保有会社:FS(トレニタリア)
最高速度:1000番台は120km/h、1100番台が130km/h
●解説
ALn663型気動車はフィアット社が1983年から1993年にかけて120両製造した一両単体のディーゼルカーである。ALn668型1200〜3000番台を元にして造られ、技術面ではほぼ同じだが外見と内装が異なる。全面が丸まったデザインから角形になり、手動で赤いフィルターを取り付けなくてもいいようにテールライトも設置。車内は一等席12席、二等席51席の合計63席と定員が3名増えた。しかしALn668のほうが燃費や保守費用が低いため、製造開始から10年で打ち切りになってしまった。ALn663は二種類存在し、まず1000番台が16両存在する。これらは地方での短距離輸送を想定したもので、最高速度は120km/h。更に後に製造された1100番台が存在するが、こちらは104両造られ最高速度は130km/hに引き上げられている。
基本的には地方の非電化路線で運用されているが、まれに長距離での運用もある。トレニタリアはローマからアドリア海のテルモリまでの直通列車でALn663型を使用している。距離でいうと約300kmだが、JR北海道が運行する「日本一長い距離を走る定期普通列車」が滝川〜釧路間の308kmを8時間かけて走行するとなるといかに長距離が想像頂けるだろう。 (解説:秩父路号)