FS E.444電気機関車
寝台客車「Treno notte」を牽引するE.444R型
(写真:ローマ・ティブルティナ駅/撮影:裏辺金好)
●基本データ
デビュー年:1967年保有会社:FS(トレニタリア)
最高速度:200 km/h
●解説
時は1960年代初頭、日本では東海道新幹線の開業が控えていて、隣国のフランスでもTGVの計画が着々と進んでいた。イタリアにも高速鉄道の風を!という計画の一環で製造されたのがファイット製のE.444型電気機関車だった。試作機4機が1967年に落成し、これらの出力は3000kW、最高速度180km/hとなっていた。量産車を造るにあたりモーターも改良され、これらは出力4200kW、最高速度200km/hに上げられ、イタリアで初めて200km/h運転を行った機関車でもある。E.444はイタリア国鉄に好評で、1972年には追加発注され、合計で117機が製造された。
ちなみにこの形式の愛称はイタリアン・ユーモアに満ちた「タルタルガ(カメの意)」。
導入以来全国中で客車特急を牽引していたが、老朽化が目立ち1989年から更新工事が施された。この工事を受けたのは97機で、現在も客車特急を担当している。なお、更新を受けた車両はE.444Rという形式に変更されている(RはRiqualificazione=改良の略)。
(解説:秩父路号)