FS E.464電気機関車
MDVC客車を牽引するE.464型。
(写真:ローマ・テルミニ駅/撮影:裏辺金好)
●基本データ
デビュー年:1999年保有会社:FS(トレニタリア)、トレノール、FER
最高速度:160 km/h
●解説
E.464型はFSが1990年代に導入を計画した近郊・通勤型客車牽引用の電気機関車で、1940年代、50年代から使用されていた旧型のE.424型やE.646型を置き換えるために導入された。設計と製造はABBトラッツィオーネ(後のアドトランツ、そして現ボンバルディア)が行った。1994年にFSがABBに新型機関車の製造を依頼し、開発費用を抑えるためにすでに現役だったE.412のデザインや部品を流用した結果、外見はE.412と瓜二つである。実際に運用開始されたのは1999年で、FSはE.464を大変気に入り、現在は668機も保有していてFSで一番数の多い車種だ。
E.464型はGTO-VVVFインバーターで4基の三相交流誘導電動機を制御していて、回生ブレーキも備わっている。ただしイタリアでの変電所が鉄道車両から発生した電気を受け付けられないため近くに電力を使用している列車がない限り回生ブレーキは発動しない。それ以外の時は電気抵抗ブレーキを使用する。基本的に制御車付の客車と運用される事を想定して、運転台は片側にしかない。反対側には簡易運転台が一応備わっているが車庫入れの時などにしか使用されず、最高速度も30km/hに制限されている。
FSの他にもトレノール(ロンバルディア州の民間鉄道会社)やエミリア・ロマーニャ州のFER社が保有している。
(解説:秩父路号)
●ギャラリー
低床客車を牽引するE.464。
(写真:ローマ・テルミニ駅/撮影:裏辺金好)
トレノール塗装のE.464。トレノールはトレニタリアとFMNが共同出資している。
(写真:ヴェネツィア・サンタ・ルチーア駅/撮影:裏辺金好)
ローマ空港連絡特急、レオナルド・エクスプレス用のトリコロール塗装のE.464。
(写真:ローマ・テルミニ駅/撮影:秩父路号)