FS E.656/E.655電気機関車


ローマ・テルミニ駅で低床客車を牽引するE.646
(写真:ローマ・テルミニ駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:1975年
保有会社:FS(トレニタリア)
最高速度:160 km/h(E.655)、120 km/h (E/655)

●解説

 E.656型はE.646の改良型として1973年に製造開始された連接式の汎用型電気機関車である。愛称は、中南米に生息するワニ科の一種の「カイマン」で、公募で決められた。

 E.646型と同じように二つの車体に二軸台車が3つ配分されており、各台車に400kWのモーターが4基(計12基)備わっていて定格出力は4200kW。ちなみに連接式にした理由はイタリア北部に多いカーブを滑らかに通行するため。


 1970年代初頭に鉄道の需要が増え、現存の機関車では対応しきれない事からイタリア国鉄は新型の機関車を製造しようと試みていた。当時はすでにE.444型がすでに完成していたが、最新の電気系統を積んでおり、これをベースに新型を開発するのはリスクが高いとイタリア国鉄は判断。代わりにすでに実績があったE.646型を元にしてE.656が開発され、合計で459機が製造された。

 中にはトレニタリアの貨物支社に移籍した機関車も存在し、E.655型と称されている。これらはギア比が変更され最高速度が120km/hに抑えられたが牽引力を向上した。

 2013年1月現在ではまだ現役で、旅客客車、貨物問わず様々な列車を牽引している。

(解説:秩父路号)

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