FS ETR500電車


(写真:ローマ・テルミニ駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:1988年(試作車)
保有会社:FS(トレニタリア)
最高牽引速度:300km/h

●解説

 ETR500は、300km/hで行うことを目的に開発された動力集中方式の高速鉄道車両。1988年に試作車ETR.500-Xが登場し、次いで1990年にETR.500-Yが登場して試験が行われた後、量産が開始された。ただし、300km/hでの営業を目指したものの、当時の高速路線(TAV)のうち、ローマ〜フィレンツェ間(通称:ディレッティシマ)の電化方式である直流3kVでは十分な電力が得られず、250km/hでの走行に制限。

 そこで、TAVの電化方式を交流25kVに変更する計画に合わせて、ETR500の機関車を2電源対応の二次車で置き換え、運用を外れた一次車はE414機関車として、通常のインターシティの普通客車の前後に挟んで200km/h運転の運用に従事することになった。置き換えは2006年から2008年にかけて順次実施されている。

 2008年からリニューアルが開始され、内外装を一新。Frecciarossa(フレッチャロッサ、赤い矢)の愛称が与えられた。そして同年12月より、ミラノ〜ボローニャ間のTAV開業に伴い運行を開始した、ユーロスター・イタリアの上位列車、ユーロスターAV(Eurostar Italia Alta Velocita(アルタ・ヴェロチタ)の運用へ充当されている。 
(解説:裏辺金好)

●動画


ローマ・テルミニ駅を発車するETR500。
(撮影:裏辺金好)

●ギャラリー


第一世代のETR500機関車を先頭にしてたころの姿。塗装も今とはまったく異なる。
(写真:ローマ・テルミニ駅/撮影:秩父路号)

第一世代のETR500機関車のうち、フレッチャビアンカ(Frecciabianca)用牽引機に転用された車両。
(写真:ヴェネツィアSMN駅/撮影:裏辺金好)

第二世代のETR500機関車の旧塗装。
(写真:ローマ・テルミニ駅/撮影:秩父路号)

フィレンツェ・カンポ・ディ・マルテ駅を通過するETR500。
(撮影:裏辺金好)

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