FS UIC−X型客車
MDVC客車と編成を組むUIC-X型客車の制御車。
(写真:フィレンツェSMN駅/撮影:裏辺金好)
●基本データ
デビュー年:1964年(運用開始は1966年)保有会社:FS(トレニタリア)
最高牽引速度:160km/h、180km/h、200km/hの3タイプ
●解説
UIC-X型はFSが保有する長距離用客車で、1966年から導入された。以前に製造されたY型客車に続き、ヨーロッパ他国の鉄道と統一化が図られた客車の第二世代となった。1963年に設計が始まり、居住性を高めるためにサスペンションや照明が向上され、断熱材や釉薬も取り入れられた。当時イタリアでは初めて客車間にゴムの外幌が採用され、防音用にアスベストスも使用されたが今では撤去されてる。また、客車の部品はモジュール化され、それにより製造費用が抑えられ製造工程も簡易化された当時は革命的な車両であった。 当初は二等車、一等車と一等・二等席の複合車の三種類が製造された。全てコンパートメント式で、二等車にはデッキ付近に折り畳み式の座席も設置。UIC-X型は6次車まで存在し、1970年に4次車の製造が始まると同時に空調設備も完備された。座席車だけでなく様々な特別車両も製造され、寝台車、ビュッフェ車、食堂車、荷物車、郵便車や罪人輸送車などもあった。
1985年に製造が終わり、合計で4300両が造られ現在は2000両弱が現役。制御車も存在し、機関車とプッシュプル運転を行う。なお、2000年代初頭にはFSが客車を集団お見合い式に改造し、長距離通勤型客車として転用したが、乗客の昇降時間が長くなり不適切とされた。そのため現在では地方幹線などの長距離列車として運用されている。
(解説:秩父路号)
●バリエーション
ローマ空港連絡特急(レオナルド・エクスプレス)用のトリコロール塗装の制御車。
(写真:ローマ・テルミニ駅/撮影:裏辺金好)
制御車の車内の様子。コンパートメント式から集団見合い式に改造された。
(撮影:秩父路号)