FS ヴィヴァルト客車
フィレンツェSMN駅に停車中のヴィヴァルト客車の1次車。(撮影:裏辺金好)
●基本データ
デビュー年:2005年保有会社:FS(トレニタリア)、トレノールなど
最高牽引速度:160km/h
●解説
ヴィヴァルト客車はイタリアの新型二階建客車で、中距離・近郊列車などに運用されている。愛称の「ヴィヴァルト」は作曲家のヴィヴァルディとアルトの造語(Vivaldi + Alto = Vivalto)であり公募で決められ、ALe501/502型電車の「ミヌエット」と同じように音楽用語を使用している。現在は2次車まで製造されていて、1次車はコリファー社が担当し、540両が造られ2005年にデビューした。2次車はアンサルドブレダ社が担当し、350両が製造され2012年4月から運用に入っている。ヴィヴァルトは客車列車としては珍しく編成が固定されており、1次車は一等車一両、二等車4両、2次車は二等車7両となっている。このため牽引機関車(主にE.464型)を含め列車そのものをヴィヴァルトと呼ぶ事もある。
ヴィヴァルト客車は従来の客車を置き換えるために導入され、その分車内もハイテクになっている。日本では当たり前の車内自動放送やLCD案内表示器もイタリアの在来線で導入されたのはこの客車が初めて。中距離用車両にしては珍しく各座席に電源のコンセントも備わっている。制御車には車椅子用のスペースも設けてあり、バリアフリーにも対応している。
FSの他にもロンバルディア州のトレノールやエミリア・ロマーニャ州の鉄道会社も保有していて、イタリアの主力客車となりつつある。
(解説:秩父路号)