韓国の鉄道(ソウル周辺)ダイジェスト版
○解説
高速鉄道KTXを始めとして、様々な車両が活躍する韓国の鉄道。本来は、1つ1つ丁寧に解説していきたいところですが、なかなか執筆の時間も取れませんので、ダイジェスト版として様々な車両たちを掲載させていただきたいと思います。
ちなみに、韓国の鉄道は、大半の鉄道路線を運営していた鉄道庁(国鉄)が、2005年1月1日より、上下分離されて運営主体が韓国鉄道公社(KORAIL)となりました。また、ソウルとその周辺ではKORAILのほか、ソウルメトロ、ソウル特別市都市鉄道公社、仁川広域市地下鉄公社が存在し、広域電鉄と呼ばれる地下鉄を中心とした鉄道グループを形成しています。日本で言えば、かつての国鉄と都営地下鉄、営団地下鉄が相互乗り入れする状態を想像していただければ良いかと(運賃体系等は違うようですが)。
また2007年3月には、韓国で初めて(ほぼ)民営の鉄道である空港鉄道株式会社の路線が金浦空港〜仁川国際空港間で開業しています。
さて、上写真は韓国高速鉄道の100000系電車(KTX-I)。フランス国鉄のTGV Reseauをベースにした車両で、1編成あたり、動力車2両(先頭車)、動力客車2両、客車16両の合計20両から構成され、300km/hで運転されています。また、中間車は連接台車を採用しています。(写真:新吉=シンギル駅)
(本文&撮影:裏辺金好 ※特記を除く)
●ギャラリー
210000系電車によるITX-セマウル(Intercity Train eXpress-Saemaeul)。従来のセマウルを置き換えるべく、2014年に登場。いずれも6両編成で現代ロテムが製造。(写真:ソウル駅/撮影:Zenigata)
特急に相当する「セマウル」号。「新しい村」を意味します。使用されるのは101系、111系ディーゼルカーで、製造メーカーによって前面形状等が異なっています(写真の車両は現代製か韓進製(この2社は同一デザイン)。
なお、両端先頭車は2013年1月に営業運転を終了し、無動力である中間車は機関車によって牽引されていましたが、2018年4月30日に全車両が引退しました。 (写真:ソウル駅)
「セマウル」号新塗装。KORAIL発足に伴い、塗り替えられたもの。 ちなみに大宇製で、現代製などに比べて前面形状が丸みを帯びています。また、前照灯・尾灯の配置も異なります。
(写真:ソウル駅)
左は急行列車(一部は普通列車)に当たる「ムグンファ」号。様々な機関車が牽引しており、この編成の先頭は8200形電気機関車(新塗装)です。新型車両で、ドイツ・シーメンス社のEuroSprinter(ユーロスプリンター)のES64F型をベースに韓国で製造したものです。(写真:ソウル駅)
ムグンファ用の客車。ムグンファとは、大韓民国を象徴する花、ムクゲの意味です。(写真:ソウル駅)
ソウルメトロ1000系。(写真:新吉=シンギル駅)
仁川広域市地下鉄公社1000系。(写真:仁川地下鉄1号線 桂陽=ケヤン駅)
仁川国際空港鉄道(通称A'REX)2000系。空港鉄道は2007年3月23日に金浦空港〜仁川国際空港間で暫定開業したもので、2010年にソウル駅まで全線開業しました。 (写真:桂陽=ケヤン駅)
韓国鉄道公社1000新塗装(写真;新吉駅)。
韓国鉄道公社1000系旧塗装(写真:京釜線(京釜電鉄線) 鷺梁津=ノリャンジン駅)。
韓国鉄道公社5000系(写真;新吉駅)
韓国鉄道公社5000系後期型(写真:京釜線(京釜電鉄線) 鷺梁津=ノリャンジン駅)。
9501系通勤型気動車(写真:京義線 臨津江=イムジンガン駅) 。CDC (Commuter Diesel Car) の愛称を持っています。気動車による都市近郊の普通列車は、以前はトンイル号(統一号)と呼ばれていました。
臨津江駅近くの臨津閣(イムジンガッ)に保存されている、朝鮮総督府鉄道の蒸気機関車「ミカサ」型の ミカ3 244号機。