ロンドン地下鉄〜イギリス〜


○解説

 ロンドン地下鉄の正式名称は「ロンドン・アンダーグラウンド(London Underground)/上写真はロゴ」、通称「チューブ(Tube)」。1863年に開業した世界最古の地下鉄であり、150年近くもロンドンっ子や観光客の足として活躍してきた。路線は総長400km超、駅数も268と世界最長の地下鉄でもある。地下鉄といっても、実は路線の55%は地上区間である。

 最初に開業したパディントン〜ファリンドン駅はメトロポリタン鉄道と命名された。メトロポリタンは英語で「大都市の」という意味だが、今では地下鉄を指す言葉になっている。東京メトロの名前の由来もここが原点である。

 ロンドン地下鉄の電化方式は世界でも例が少ない第4軌条方式。走行用のレールの外側に一本、内側に一本設置されていて、合計630Vの電圧で走る。4本もレールがあるため、シザークロスなどの複雑な場所では視界がレールで埋め尽くされる。

 集金システムはオイスターカードなるICカードが主流となっている。ロンドン中心部から波紋のようにゾーンが1〜9まで囲ってあり、ゾーンの番号が大きいほど中心部から離れていく(ちなみにゾーン7〜9まで来ると、郊外どころか田舎である)。

 ICカードを使用した料金は大体2〜5.5ポンド(400〜1100円)。もちろん持っていない乗客は普通の磁気券を買うことになるが、なんと運賃は4〜7ポンド(800〜1400円)と割高。なぜ同じ距離なのに磁気券のほうが高いのかというと、「みんなにICカードをもっと使ってもらいたいから」とのこと・・・。納得いかん!

 ちなみに、日本のような鉄道会社と地下鉄での相互乗り入れはロンドンでは行っていない。トンネル断面が小さすぎる、電化方式が違う、地下鉄車両が遅すぎる(最高時速は35〜50マイル(55〜80km/h))など様々な技術的な理由がある。(実際、鉄道会社と地下鉄が線路共有をしている区間があるが、乗り入れとは言いがたい)。

 ロンドン地下鉄には11系統あり、それぞれ独自の名前と色が与えられている。それぞれの系統の使用車両は様々だが、大きく「subsurface」と「deep level」の2つに分けられる。これらはその2、その3にて詳しく紹介する。

こちらはロンドン市交通局公式サイトの地下鉄の地図へのリンク:
http://www.tfl.gov.uk/assets/downloads/standard-tube-map.pdf
※為替レートは2008年10月現在
(解説&撮影:秩父路号)

●ギャラリー


地下鉄で使用される車両の一例、チャリング・クロス駅にて

ロンドンのICカード、オイスターカード


地下駅の一例。ちなみに駅はBaker Street、シャーロキアンの聖地。


郊外駅の一例。ここはWatford駅。

1960年ごろまではこのような電気機関車+客車を使っていた。かなり古そうだが、実は一世代前のもの。第4軌条も相変わらず。リバイバル運転にて撮影

事業車も地下鉄サイズ(ひどい画像ですみません・・・)

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