メトロポリタン線旧型機関車リバイバル運転〜イギリス〜
○解説
2010年5月16日(日)にロンドン地下鉄のメトロポリタン線で旧型機関車のリバイバル運転が行われました。運転内容はメトロポリタン線の北部を3往復ほどするもので、私は午前の部を撮影しに行きました。リバイバル運転を行う機関車はメトロポリタン・ヴィッカーズ社製の電気機関車で、メトロポリタン線にて1922年〜1961年まで運用されていました。電力は第3・4軌条のレールから供給されていて、最高速度は65mph(約105km/h)。
合計20両製作され、それぞれに有名なロンドン人の名前が愛称としてつけられました(シャーロック・ホームズ等架空の人物もありました)。引退後はほとんどが解体されましたが、現在5号機がロンドン交通博物館で静態保存されており、今回運転された12号機が動体保存されています。
まず上写真は、始発駅であるハロー・オン・ザ・ヒル駅にクラス20ディーゼル機関車に牽引されて入線した風景。(日本でいう国鉄DE10型のような機関車です)
(解説&撮影:秩父路号 禁転載)
●ギャラリー
こちらが12号機の「Sarah Siddons号」(サラ・シドンズ号)。塗装も現役時代のままです。
(ちなみにサラ・シドンズは18世紀ごろのイギリスの女優です)
電力供給は第3・4軌条方式で、機関車にも集電シューが装着されています。
客車は当時使われていたTストックに似せたものを使用しています。
方向転換のため、一度ワトフォード支線へと引き上げていきます。
こちらはリックマンズワース駅で見つけたポスター。1961年までリックマンズワース駅以北は非電化だったので、蒸気機関車が代走していました。このポスターは当時の様子を写真に収めています。
そして現在のリックマンズワース駅。電化後、引き込み線は使用なくなりました。
イベントに合わせて、旧型のバスも運行されていました。
リックマンズワース駅に停車するリバイバル列車。
アマーシャム駅に停車中の列車。クラス20の反対側ですが、細く縦長な形状です。
客車の車内は2種類あり、そのうち一つはこのようなボックス席。
もう一つは伝統的なコンパートメント式。
今度はチョーリーウッド駅で列車を撮影しました。
列車の後姿。
ちなみに1961年に旧型機関車を置き換えたA60ストックはまだ現役ですが、今年の冬辺りにSストックに置き換えられる予定です。