胃はどうして胃を消化しないのか
私たちは食事をすると、食べ物を胃をはじめとする体の様々な部分で消化し、栄養分を吸収していくわけですが、その中でも胃は、胃壁から塩酸(胃酸)を含む強酸性の胃液を分泌し、細菌やウイルスを殺菌する機能を持っています。何しろ、胃の中で食べ物が腐ってしまっては大変ですからね。
さらに胃液には、塩酸及び酸性条件下で活性化するタンパク質分解酵素(ペプシン)が含まれ、タンパク質を分解します。さらに、リパーゼという酵素によって脂肪を分解しています。こうして胃液と食べ物を混ぜ合わせて、流動的な粥状にすることで、小腸での本格的な吸収がしやすいように備えます。
そして、次の十二指腸に送り出す際に、十二指腸での消化の進み具合を見ながら、少しずつ送り出すという、機能もあります。
このように強力なパワーを持つ胃液は、なんと1回の食事で500mlも分泌されるのですが、なぜ胃を溶かしてしまうことはないのでしょうか?
実は胃壁はネバネバとした粘液を分泌することで、自身を胃液から保護しているのです。また、固い食べ物が胃に入ったときに、胃が傷つかないようにするのもこの粘液。
ただし、食べ過ぎ、飲み過ぎ、極度のストレス等で血の流れが悪くなると、粘液細胞が窒息し、粘液が働かなくなることがあります。この際、胃液によって胃が消化されはじめ、胃潰瘍になってしまうことがあるので、要注意です。
まず、冷たいもの、柔らかいものは速く、温かいもの、固いもの、脂っこいものは遅く通過します。
その上で、概ねこのような感じになります。
(1)液体・・・数分
(2)普通の食べ物・・・1〜2時間
(3)脂っこいもの・・・3〜4時間
脂っこいものを食べ過ぎると、いつまでも胃の調子が悪くなることがあるのは、こういうことなんですね。
ちなみに胃の容量は一般的にはビール瓶2本分。これを多いと見るか、少ないと見るかは人それぞれと思いますが・・・。