裏辺研究所 雑学万歳 > 第139回


第139回 小便が黄色いのはなぜ?

担当:裏辺金好


○小便のメカニズムはご存知ですよね? なら、その色のつき方は?

 前回の髪の毛に引き続き、今回も人体に関するお話です。それも、小便(尿)の話。
 さらにネタを絞りまして、なぜ色が黄色いのか? ということを解説しましょう。

○犯人は「ビリルビン&ウロクロム」だ!

 もう早速答えですが、小便の黄色い色はビリルビン、そしてこいつから出来たウロクロムという成分が主な要因です。
 ビリルビンというのは、元々は赤血球の中に含まれるヘモグロビン(血液中で、酸素や二酸化炭素を運ぶ)が代謝されて出来たもの。赤血球は約120日程度の寿命なのですが、同時にヘモグロビンも寿命を迎え、脾臓や肝臓で壊され、ここでビリルビンが出来上がるのです。

 そして、肝臓から分泌される消化液である胆汁によって運ばれ、腎臓でウルクロムに変化します。
 こいつが小便として放出されると、黄色く見えるわけなのです。
 *大便が茶色く見えるのもビリルビンが主な要因です。

 ちなみに、特に具合が悪くなければビリルビンの量は一定です。
 ですから、夏場などで水を多く飲んだ場合は、1回における小便に含まれるビリルビンの割合が減少→色が薄くなる、となります。ビールなんかをがばがば飲んだ後の小便は、無色に近くなりますよ!

 逆に、スポーツなどで大量に発汗すれば、通常の水分が小便からなくなりますので、ビリルビンの割合UP→色が濃くなる、となりますし、ビタミン剤などによって色が濃くなることもあります。
 あと当たり前のことですが、小便が変な色になった場合は、何らかの病気である可能性が高いので、直ぐに病院へ・・・。

○せっかくなので小便の話も

 ネタを絞っておきながら広げてしまいますが、いい機会なので小便(尿)のメカニズムもご紹介しましょう。
 そもそも小便は、血液が腎臓で濾過(ろか)されて誕生するもので、1日に1.5リットル〜2リットルほど生産されるそうです(もっとも、その元になる原尿は150リットルも生産。ただし、99%は腎臓で再吸収されます)。そして、我らが膀胱(ぼうこう)に貯められ、一定量がたまったら排出・・・となります。ちなみに、激しい運動しても基本的に漏れちゃったりしないのは、尿道括約筋(自分の意思で調節できる外括約筋と、意思とは関係ない内括約筋の2種類あり)のおかげ。水門のような役割をしているんですね。

 そして、いざ排出となると、1回当たり平均200〜300ミリリットルぐらい出すそうです。
 ・・・ちなみに、膀胱の容量は600ミリリットル。
 あまり我慢しすぎて貯めないようにしましょう。膀胱炎になりますので・・・。

 ちなみに 布団に入るなど体の向きが変わると膀胱が圧迫され、さすがの括約筋も限界に。仕方がない、トイレに行くか・・・となるのはこのためです。

○何で小便って重要なの?

 それは、前述した血液の「濾過」(ろか)がキーワードです。
 というのも、我々の体の中には、あまり貯めて欲しくない成分や老廃物ってのがあるんですね。ですから腎臓は、血液から余計なものを取り外し、また体を巡ってもらうというクリーニング工場としての役割があり、小便はその成果物(?)なのです。なお、尿毒症というのですが、腎臓が上手く働かないと、体の器官の各部に異常をきたします。

棒