第141回 琵琶湖、なぜ「琵琶」湖?
担当:
裏辺金好
ちょっとした豆知識ということで。
最近ではマザーレイクなどと洒落た言葉でも紹介される、滋賀県の琵琶湖。いったい、なんで「琵琶」という名前なんだろうと思って調べましたら、やはり琵琶の形に似ているかららしい(もちろん、例のごとく異説もあり)。ということで、今回の雑学はこれで終わり。
・・・それでは、あまりにも面白くない雑学ですね。
琵琶湖の名称の由来はそれでOKですが、しかし古代は「淡海」(おうみ)とか、浜名湖よりも都に近いという意味で「近淡海(ちかつおうみ)」と呼ばれていました。これが、「近江(おうみ)之海」に転じ、滋賀県の旧国名である近江国の由来となっています(逆に遠江国も誕生しましたね)。万葉集に掲載されている柿本人麻呂の歌に
「淡海の海夕波千鳥汝が鳴けば心もしのにいにし思う」
というのもあります。一度は聞いたことがあるはず。
また、室町時代に近江に滞在した、関白の近衛政家が琵琶湖の名所8つを選出しましたが(やはり異説アリ)、このときのタイトルは「近江八景」となっています。
「瀬田の夕照」「石山の秋月」「粟津の晴嵐」「三井の晩鐘」「唐崎の夜雨」「比良の暮雪」「堅田の落雁」「矢橋の帰帆」の琵琶湖南湖周辺8地域で、江戸時代に安藤広重がこれを浮世絵で描いて大ヒット! 広く知れ渡るようになりました。
それがどうしたことか、琵琶湖という名前になったのは江戸時代ぐらいからのようです。
おそらく最初は、愛称程度だったんだとおもいますが、元禄年間(1688〜1704)に出版された「淡海録」という地誌には、「琵琶湖」と明記されているそうで、しばらくは「近江(淡海)」と併用されていき、明治以降は「琵琶湖」が正式名称になっているようですね。
(参考:滋賀県立琵琶湖博物館ホームページ)