ナスってどんな野菜?

担当:裏辺金好

〇基本データ

 インド原産のナス科の多年草(ただし、温帯では一年草)。
 漢字で書くと、茄子ですが、これは女房言葉(宮中や院に仕える女房が使い始めた言葉)が一般に普及したもので、奈良時代に中国から日本に伝わったときは、奈須比(なすび)と表記しました。他の説としては、味から「中酸美(なかすみ)」の略という説や、収穫の時期から「夏実(なつみ)」が転化した、とも云われています。

 さて、新鮮なナスは、濃い黒紫色で、表面にシワが無く光沢があるのが特徴。
 この黒紫色のなすの皮にはアントシアン系色素の「ナスニン」というポリフェノールの一種が含まれており、発ガンや老化を抑制する抗酸化作用があります。また、品種によっては白や緑など、紫ではない色のナスも存在しています。
(上写真は中長ナス)

〇様々な種類

 日本だけでも、産地による違いで細かく分けると170〜180種類程度の品種があり、スーパーでも様々な種類のナスが販売されていますが、世界を見渡すと1000種類もあるといわれています。ここですべてを紹介するのは不可能なので、形状による分類を中心に、一部をご紹介。

丸ナス・・・信越地方、関西地方
小丸ナス・・・東北地方など(長さ3m〜8cm、重さ10〜20gの丸形なす。山形の民田ナスなどが代表)
卵形ナス・・・関東地方(かつてはメジャーでしたが、現在は市場に出回っていません)
長ナス・・・関西地方、東北地方(13〜25cm程度の長さですが、市場に出回るのは17cm前後)
中長ナス・・・全国で栽培(長卵形ナス、千両なすとも。卵形ナスと中長ナスの交雑品種で、一般的に出回る「ナス」)
大長ナス・・・九州地方(30〜40cmほどの長さがあり、皮が若干硬いのが特徴)
米ナス・・・アメリカ品種、ブラックビューティーを日本で改良したもので、ヘタが緑色なのが特徴(下写真)
赤ナス・・・熊本の在来種(長ナス系の早生種で、果実が赤みを帯びており、果肉が柔らかいのが特徴)
白ナス・・・東南アジア系の品種
青ナス・・・埼玉や鹿児島など(別名は緑ナスで、果実が淡い緑色。皮は固めですが、果肉は火を通すと柔らかくなります)
水ナス・・・関西地方(泉州地方)など(水分が多く皮と果肉が柔らかく、漬け物に適しています)


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