カメラについて語ってみる(1) カメラについて語ってみる
最近、裏辺研究所の掲示板ではデジタルカメラについてのお話しが盛り上がっております。
そこで、私(裏辺金好所長)は、裏辺研究所随一のカメラマンである七ノ瀬悠紀氏に、デジタルカメラに限らず、銀塩のアナログカメラについても、クラシックカメラを含め、気の向くままに語ってもらいました。以下、それを編集したものでございます。やはり、専門家の話は面白いですね。なお後日、好評につきシリーズ化し、七ノ瀬悠紀のカメラの楽園という独立したコーナーといたしました。是非お楽しみください。
さて、最近、だんだんとカメラを集めるようになっております。
その一環で、機材をリニューアルしました。つーか、常用カメラを一台増やしただけですが。
ZORKI-1と呼ばれる旧ソ連製のレンジファインダー式カメラ。もちろん50年前の製品なのでフルマニュアル。ちなみに露出計もなし。絞り値およびシャッタースピードを経験値から計算しなければいかんのですが、さすが大陸製だけあって、シャッタースピードが、概数倍系列ではない。まぁ、慣れればどーってこと無いですが(左写真がそれ:筆者撮影)。
で、放送作家の西ゆうじ氏の著書にクラシックカメラ物語というのがあるのですが、その中で氏はカメラを『地酒』と同じように述べられている。私も、この説に賛成で、ソ連製のZORKI-1は、特にこれからの季節に味が出るように思う。まぁ、扱いにくいカメラではありますが、気長に付き合っていくことにしましょう。
クラカメ(クラシックカメラ)は良いですよ。現代のカメラには無い、カメラ自身が工芸品である、という風格があるため、空シャッターを切るのも楽しいですし。私の持っているZORKI-1などは、東京であれば1万5千円くらいで購入できるのではないでしょうか。ただ、ソ連製のカメラは精度が悪いため、かなりのあたりはずれがありますが。
最近はちょっとしたクラシックカメラブームでもあり、オリンパスペンなどが若い女性に人気が高いそうだが、私の周りで見かけることは、無い。
私の通う大学内外では、結構写真好きの方がいるようで、教授や、どこかのアメリカンなお人とカメラ談義に花を咲かせているわけですが、なかなか、同年代の人がいない。たいていは40〜65くらいの人なのである。それでも、まあ結構写真を撮ってる同年代の人は多いですねぇ。特に私の住んでいる京都は、被写体に事欠くことが無いですし。
と言っても、だいたい、フルオートのカメラででバシバシ撮ってるか、中古のマニュアルカメラでを自慢げにぶら下げているかのどちらかですが(笑)。まぁ、マニュアルを使いこなしていればカッコいいでしょうが、失敗した日にゃ、目も当てられませんぜ。ああ、でも、彼らが使ってるカメラ(NikonのNewFM2が多い)には露出計がついてるか。ということは、壊れてない限り、まともに写るってわけだ。
こっち(ZORKI-1)にゃそんなもんも付いてない(笑)。ひたすら経験値に頼る撮影。男らしくていいですが、失敗してたら、ただの馬鹿(笑)。まぁ、最近はある程度光が読めるようになったため、失敗もほとんど無いですが。
デジカメは使いませんねぇ。
600万画素を超えるものでないと、A3ノビに対応できないのが大きな理由ですが。もうひとつ、安易にデジタルに走ってしまうと、『撮る』段階での技術が疎かになってしまうという事。PCなどで、後々調整できてしまうため、撮影段階では結構適当に撮る人が多い。実際は、
ラチチュード(後述します)などの点から言っても、
デジタルでは、撮影時にしっかりとした『絵』を作っていないと、良い『絵』はできないのです。本当は、デジタルのほうがシビアなんですけどねぇ(苦笑)。
最近は、ようやく各メーカーからもデジカメ(ここで言うデジカメは一眼レフタイプ、レンズ交換式を言っています)が出てきたようで、私の主力機であるCANONからも、3タイプ発売されております。まぁ、最高で定価100万円と高価なので、当然の如く買いませんが(笑)。
ただ、
シグマから発売されるSD-9というデジカメがあるのですが、あれはちょっとほしい。新型CCD搭載で、定価20万。さすがシグマといったところか。ただ、純粋なカメラとしての能力には欠ける。また、この場合はレンズも買わないといけないから、結局高くなるし。
以後
コンパクトデジタルカメラについてですが、私の性格上、コンパクトでかつ高性能を求めてしまうあまり、食指が伸びないのです。MINOLTAのDiMAGE Xなどは、かなり良いと思いますが。一時期、CANONのG3を購入しようかと思っていましたが、結局買わず終い。まぁ、自分にはしょっぱい銀(銀塩=フィルムのことです)が合ってるのかナァ、などと思う今日この頃(笑)。
先ほど、ラチチュードという言葉を出しましたが、
ラチチュードというのは、露出許容範囲のことです。たとえば、適正露出が60分の一秒F5.6の場合、どれだけシャッタースピードを上げることができるか、または下げることができるか、その許容値です。逆にFナンバーでも同じことが言えます。
通常のネガフィルムはこのラチチュードの幅が8EVですが、ポジフィルムだと4EV程度になり、露出がシビアになります。その代わり、色再現性は高いです。というか、専門用語って難しいですね。自分でわかっていても、人に伝えることの難しさ。言い換えれば、人に教えられるくらいになれば、相当なものということですが。
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