日本の鉄道雑誌
担当:
裏辺金好
さてさて、自他共に鉄道ファン・マニアと称される私には、友人から鉄道関係の質問をよーく受けるわけであります。そりゃあ、やはり知っている人に訊くのが一番でございますからね。
そこで、今回は、その中の一つである「日本にはどんな鉄道雑誌があるのか」について、まあ簡単に見ておこうという訳なのであります。もちろん、探せば同人誌的なものも含めてかなりあるのでしょうが、一般の書店で「ホビー」という分類コーナーでよく見かけるものを紹介しましょう。ちょこっとだけ鉄道に興味がある人や、興味はないが、鉄道について記事を書かないといけない人なんかは、特に参考にしてください。
ちなみに、どの雑誌も月刊で数十年単位と、かなり長い年月発行されています。
最初にご紹介するのが、鉄道ファンです。
この雑誌は失礼ながら、いわゆるマニア向けです。
つまり、この車両の何番目に製造された車両が、いつスクラップになってとか、改造されてとか・・・。
そう言うことを、よく取り上げています。
と、書くと「そうか、ではあまりこの雑誌には近寄らない方が・・・」
と思われてしまうかも知れませんが、さにあらず。
まずなんと言っても、この雑誌はヴィジュアルで攻めてきます。パッと見た時に、とても読みやすいデザインになっています。特に最近は専門のグラフィックのチームと組んでいるらしく、写真はもちろん、とても美しいCGイラストも多数掲載。紙面構成などのデザイン勉強にもかなり有益です。さらに、随所にある編集部のコメントが非常に親しみやすい口調で書かれてあり、暖かみを感じます。
また、「日本の特急電車」みたいな、鉄道知識ゼロの人が入門できる特集も良く組むため、お勧めです。お母さん方が、少し大きくなった子どもに買ってあげるなら、まずはこの雑誌でしょうね。
次にご紹介するのが、鉄道ジャーナルです。
この雑誌は、鉄道の将来を考える人&鉄道を使った旅好きな人向けです。
例えば、左の2003年2月号では「日本の鉄道システム」なんて特集を組んでいます。 他にも、「鉄道とデザイン」とか、「駅の役割」とか、「日本の路面電車の現状」のようなテーマを出します。その一方で、必ず何らかの列車を使った旅を大きく紹介してあり旅行雑誌としても非常に面白いですね。
そのため、この雑誌は鉄道マニアよりも、むしろ交通政策が好きな人や、旅が好きな人などにお勧めです。かつての連載記事では、現在は台湾新幹線建設に関わった齋藤さんという人の裏話があり、これは非常に面白いです。なぜ、日本の「新幹線」が採用されたか。ぜひお読みください。プロジェクトXもビックリ。また、意外と新幹線と路面電車を取り上げることが多いです。
取り上げるテーマは堅めのものが多いですが、解りやすく書かれており、また読むと必ず鉄道技術や現場の裏側のようなものがわかる、非常に読んで納得!!な雑誌です。
その次に紹介するのが、鉄道ダイヤ情報です。
この雑誌は、主に鉄道の写真を撮りに行こうとする行動派鉄道ファン向けです。
そのため、この雑誌の構成は基本的に撮影ポイント紹介&今月の臨時列車紹介をメインとしています。 臨時列車を紹介するのは、当然普段来ないような列車が、運転されることが多いからです。そして、鉄道マニアとしてはそう言う珍しい列車を撮影したいわけですね。
そのため、特に鉄道が好きでもない人は、そんなに必要としない雑誌です。ただし、カメラマンなんかは勉強の一環として見ておいて損はないかも知れません。
鉄道ファンとしては欠かせない一誌でもあります。臨時列車の情報は他誌の追随を許しません。
その次の次に紹介するのが鉄道ピクトリアル。日本で一番長く続いている鉄道雑誌です。
ただし、カラーページは少なく、何をメインとしている雑誌なのか、私にはいまいち解りません。
ただし、1つ言えるのは、メカニック・機械工学的なことなど複雑なことを取り扱っていることです。
もちろん、根強い人気に支えられていることから、何か他の雑誌と違う魅力があるのは間違いないのでしょう。
最後に紹介するのが、RMマガジンズです。
こちらは、鉄道ファンと鉄道ダイヤ情報を足してニで割ったような雑誌です。
姉妹紙に、鉄道模型を扱ったものもあります。
他の雑誌よりもサイズが大きいことが特徴で、その分大きなサイズの写真をよく楽しむことが出来ます。
特に、懐かしい国鉄の残存車両の特集を組み、その運用状況を紹介するので、そう言うのが好きな方には大変お勧めです。
と、月刊誌で発行されているうち、非常によく目につくものを紹介してみました。
まあ、何らかの参考にして頂ければと思います。
ちなみに、鉄道にそんなに興味が無くても、鉄道ジャーナルは読んでおいた方が良いです。旅行に関する記事は楽しいですし、鉄道のおかれた厳しい現状と、高速道路を造り続ける愚に気がつくはずです。