カメラについて語ってみる(4) APSカメラについて語ってみる
すみません。前回予告していたものと内容が違います。『デジタルカメラと中版カメラ~これからのデジタルとフィルム~』でお送りします、などと言っていたくせに、先日、APS一眼レフカメラ、CANON EOS IX
Eを買ってしまったため、急遽APSについて語りたくなってしまったのです。というか、ただ自慢したいだけ~とも言いますが(笑)。
なお、これからも次回予告は当てにならないと思います。ならやるなと言う声がありそうですが、これは気分です。あくまで雰囲気を盛り上げるためだけのものなので、気にしないでください。ちなみに、『デジタルカメラと中版カメラ~これからのデジタルとフィルム~』は、いつかやります。気長に待っていてください。
さて、購入した
EOS IX Eは、某カメラ量販店でメーカーの在庫処分品を中古として販売していたものです。EF24-85mm付き定価150,000円を、処分特価で28,000円。EF24-85mmが中古単品で約30,000円するので、中古で購入を考えていましたが、新品(+カメラ)が同価格で買えるので、迷わず購入。
EF24-85mmは、光学性能を考えてもかなり性能の良いレンズです。それに加えて、小型サブカメラが付いてきたと考えれば、大変お買い得だったと思います。メーカー処分品なので扱いは中古ですが、もちろん新品。私の使っているレンズやカメラのほとんどは中古ですが、やはり新品は良いなと感じました。
ということで、今回は、APSについて少し語ってみようと思います。
A(=Advance) P(=Photo) S(=System) と呼ばれる、新フォーマットのフィルムは従来のフィルムとは異なり、電磁的にデータを記録している。このデータの容量はかなりあるらしく、通常のデート機能に加え、メッセージを印字したり、プリントタイプ(C、P、Hの3タイプ)を、コマ毎に記録することも可能であった。さらに、撮影条件等をコマ毎に記録しておき、プリント時に適当な補正をかける事も出来た。さらに、音声データを記録することも、技術的には可能だったそうだが、商品化する前にデジタルカメラが市場に出たようである。
また、MRC機能に対応していた。
撮影途中でフィルムを交換することが可能で、急に天気が悪くなったときなど、高感度フィルムに交換するといったことが可能だ。
フィルムサイズは16.7mm×30.2mm。35mmフィルムと比べて一回り小さい。そのため、焦点距離はレンズ焦点距離×1.25となる。また、外装をカートリッジ型にしたため、フィルム交換が失敗無く、ワンタッチで出来るようになった。カートリッジ型の恩恵で、カメラボディそのものの小型化にもつながった。
ワンタッチフィルム交換と小型ボディのおかげで、APSコンパクトカメラは一気にブームとなった。
大部分のAPSカメラは、コンパクトデジカメに取って代わられました。これは明らかです。実際に市場に出回る新製品も、コンパクトカメラの大半はデジタル製品。しかし、フィルム交換の手軽さなどからAPSコンパクトを使っている人は少なくありません。旅行にAPSコンパクトを持って行く人も結構多いのです。
確かにデジタルであれば、バックアップなどの処理によって、記録メディアに無限に撮影することが可能ですが、パソコンやその他の装備が必要だったりする点を考えると、店に持って行って、すぐにプリントしてもらえるAPSも手軽でよいと感じる人も多いでしょう。
また、スポーツやレースを撮影するカメラマンも、APSを使っていたりします。これは、
焦点距離×1.25という点を利用したものである。長く明るいレンズは、とにかく高い。APSであれば、たとえば300mmのレンズが375mmに、500mmであれば625mmレンズとして使えます。野鳥撮影などでも、少しでも焦点距離の長いレンズが欲しいときなど、APSカメラが重宝します。逆に言えば、広角側に弱い。これはデジタル一眼レフの一部にも言える事です。
APSフィルムは、35mmフィルムに比べて、各メーカーから出している商品の種類が少ないのが難点です。ネガフィルムであればプリント時にかなりの補正が出来るためあまり問題にならないのですが、APSポジフィルムは富士フィルムが1種類出しているだけ。ポジフィルムの場合、撮影条件に合わせてフィルムの選択をするのですが、それが出来ないのは厳しい。市場が完全にデジタルに向かっているため、APSフィルムの新製品は望めないでしょう。
後は、フォーマットが35mm版よりも小さいためにプリントの拡大率が大きくなりますが、半切までであれば、問題ないと思います。全紙大であっても、35mm版でトリミングすることを考えれば、あまり関係ないでしょう。撮影時にどれだけフィルムの完成度を高めることができるかという事で、とりたてて騒ぐことはありません。
CANONはAPS一眼レフを2種類出しています。ひとつはIX Eで、もうひとつはその廉価版IX 50です。中古価格ではIX Eが約15,000円、IX
50が約8,000円(共にボディのみ)とおよそ2倍違いますが、定価を考えれば、どちらもお買い得ですよ。
さて、IX Eを手にしてみると、結構重量があります。普段、EOS Kissなどを中心に使っていると、ずいぶんと重く感じますが、EOS Kissなどは逆に軽すぎるので、これくらいの重さのほうが使っていて安心します。また、手触りは特殊ステンレス合金製カバーを多用しているので、ひんやりとしているのも特徴。普及一眼レフのプラスッチッキーな安っぽさとは違い、かなりの高級感があります。
しかも、シャッター最高速度も1/4000秒なので、普段使う範囲では十分である。さらに巻き上げ速度も2.5コマ/秒と、そこそこの速さ。一方、CANONお得意の視線入力も入っていますが、普段EOS7の視線入力に慣れているためか、焦点合致する率が低く、個人的には使い易いものではありません。
見た感じは、OLMPUSのLシリーズや、SONYのL型デジカメに似た感じがあります。しかし、れっきとした一眼レフカメラであり、ホールディングバランスも良いです。EOS Kissシリーズでは、私の手が大きいためバッテリーグリップを装着して使っていましたが、IX Eは単体でホールドしやすい。IX Eにはバッテリーグリップが無いため、装着したくても出来ませんが、せっかくのコンパクトさを失うので無くても良いというか、もともとのコンセプトから外れてしまいます。
シャッターを切った感じもEOS KissよりEOS7に近い。
撮影感覚では、EOS7の小型版といった感覚で使うことが出来ます。
ちなみに液晶表示部が、EOS Kiss5と同じくボディ背面にある。EOS Kiss5の液晶はα-7の真似だという批判がありますが、よく考えてみると、約5年も前にIX Eに採用しているのです。これでは、どちらが真似したのか判らないですね。まぁ、製品として市場に出た以上、何を言ったところで使い勝手の良い物が優れていますが・・・。
実際、APSの利点を挙げていったところで、APSからデジタルへ代わることは間違いなく、新製品としてAPS商品がリリースされることは無いでしょう。
しかし、『これからしばらく使ってみる』というのであれば、とてもよいカメラです。
レンズ付きの中古価格もとても手ごろで、EOS IX EはEFレンズ全て、Nikonのプロネアであれば旧来のニッコールレンズが全て装着可能! 先ほども書きましたが、中古価格を参考までに。
・ EOS IX E(ボディのみ)・・・15,000円
・ EOS IX50(ボディのみ)・・・8,000円
・ Nikon PRONEA(28~80mm付き)・・・19,800円
といった具合なのです。
持ち歩くのも簡単なので、散歩のお供に良いのではないでしょうか。
さて、今回も勝手にAPSについてだらだら(一部自慢)と書いてみました。購入の動機はレンズだったにもかかわらず、そのおかげでAPSのよさを改めて知りました。APSネガフィルムに関しては、まだまだ販売されますし、コンパクトカメラからのステップアップに、APS一眼はいいのではないでしょうか。まぁ、一眼レフ初心者は35mm版から始めることをお勧めしますが。ただ、これからのデジタルへの移行も考えると、フォーマット(フィルムサイズ)に関してはあまり考えなくてもいいような気もします。
さて、APS一眼レフを買って間もないですが、デジタル一眼レフを買おうかと考えています。しかし、まだ、買う気にならない。それは、連載2回目に書いた理由以上に大きな理由があります。次回は、その理由を中心に語っていく予定です。が、今回同様、内容が変更される可能性があります。というか、今回の原稿を書く前に『クラシックカメラについて語ってみる』という文章を途中まで書いていたりするんですね(笑)。
なお、意見反論のある方は、掲示板、もしくは
yuhki7@soviet.biz
まで、お願いします。出来れば、メールでお願いします。あまり掲示板をのぞかないので。
意見などをいただいた場合、次回の投稿で使用させていただきます。よろしくお願いします。
それでは、また。