箱根登山鉄道
●解説
小田原駅と強羅駅を結ぶ営業距離15kmの鉄道線と、強羅〜早雲山1.2kmの鋼索線(箱根登山ケーブルカー)を運営する鉄道。会社としては1888(明治21)年に誕生した小田原馬車鉄道が前身で、 国府津駅〜小田原駅〜湯本駅の軌道線が開業。1896(明治29)年に小田原電気鉄道に社名変更し、1900(明治33)年に全線が電化した。1919(大正8)年に、鉄道線として箱根湯本〜強羅間が開業する一方、翌年には小田原市内線の国府津駅〜小田原駅が廃止となる。そして、1928(昭和3)年に箱根登山鉄道となった。
1935(昭和10)年に軌道線に代えて、鉄道線として小田原〜箱根湯本間が開通。1950(昭和25)年に小田原〜箱根湯本間を1500Vに昇圧して、小田急線より片乗り入れが開始された。さらに、2003(平成15)年からは小田急電鉄の完全子会社となり、小田急箱根ホールディングスに社名変更の上、新たに箱根登山鉄道を設立。2006(平成18)年3月からは、輸送力増強や駅設備改修に伴い、小田原〜箱根湯本間は小田急の車両のみが営業運転に就いている。
●車両一覧
▲モ0ハ1形・モハ2形 | ▲モハ3形(引退) |
▲1000形 |
▲2000形 |
▲3000形/3100形 | ▲ケ100形・ケ200形 |
▲ケ10形・ケ20形 |
■箱根登山鉄道の特徴 |
日本でも有数の登山鉄道として知られており、特に箱根湯本〜彫刻の森駅間は粘着方式で登坂する路線として日本最急の80‰勾配(日本最急勾配は大井川鉄道のアプト式90‰)、3箇所のスイッチバック、半径30mの急カーブが存在する。走行する車両もこの険しい路線に対応した重装備となっており、カーブ区間での摩擦を減らすために通常は油を塗るところを、水タンクより散水する方式としている他、屋根上の抵抗器・4種類のブレーキ搭載などの特徴を持つ。急カーブ区間走行のため、走行中の車両間の移動は出来ない。なお箱根湯本〜強羅間の電圧750Vと入生田〜箱根湯本間の1500Vに対応するために、全車複電圧車両となっている。
また、6月頃には線路際に約1万株のあじさいが咲き誇る(夜間のライトアップもあり)。このシーズンはあじさい電車が運行され、乗客の目を楽しませる。