西日本鉄道6050形「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」


西鉄初の車内で食事を楽しむ観光列車として通勤用の6050形を大改造。
(写真:天神大牟田線 高宮駅/撮影:kajibooh)

●基本データ・運行区間

デビュー年:2019(平成31)年
運行区間:天神大牟田線、大宰府線

●車内にピザ窯!?通勤電車を大改造した西鉄の観光列車

 「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」は、西鉄の通勤車両である6050形の6053編成を改造して誕生した観光列車。モ6253を廃車の上、ク6053(1号車)+モ6353(2号車)+ク6553(3号車)の3両編成に短縮したうえで大改造。

 外観は福岡南央子氏がデザインし、白をベースにキッチンクロスをイメージした赤色のチェック柄を施し、美味しさと清潔感を表現。また、先頭中央の貫通ドアが無くなったほか、側扉は1号車と3号車が両開きドアを片側2か所、2号車は片開きドアを片側2か所としている。

 車内は有限会社ランドスケーププロダクツがデザイン。1号車と3号車が大きなテーブルを設けたダイニング席(定員各22名)で、西鉄初のトイレを設置。2号車はダイニング席8席と、「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」最大の特徴ともいえる大きな窯を中心とした調理器具を設けたオープンキッチン車両(調理器具はいずれも電磁・電気式)となっている。

 また、八女の竹を使用した竹編みの天井、いぶし銀が美しい城島瓦、家具のまち大川の家具を使用した椅子とテーブル、アーティストが描く筑後川など、沿線の地域資源をインテリアとして施している。

 さらに2号車の床下は、6050形で進められている更新工事と同様にSiCを用いたVVVFインバーター制御装置に刷新したほか、補助電源装置を二重系によるバックアップ機能を持つ静止形インバーター(SIV)に代替する工事を行い更なる省エネルギー化を図っている。

 列車は基本的に福岡(天神)→大宰府が「地域を味わうブランチの旅」、福岡(天神)→大牟田が「地域を味わうランチの旅」、大牟田→福岡(天神)が「地域を味わう季節限定コース」と名付けられており、金土日祝を中心に運用されている。

●6050形


窯が設置された2号車の片側の窓が塞がれているのが特徴。写真は大牟田行きの「地域を味わうランチの旅列車」。
(写真:天神大牟田線 平尾駅/撮影:kajibooh)

那珂川橋梁を渡るTHE RAIL KITCHEN CHIKUGO。大宰府行きの「地域を味わうブランチの旅列車」。
(写真:天神大牟田線 大橋〜井尻/撮影:kajibooh)

↑ PAGE TOP