大井川鐵道C10形


蒸気の圧力を高めて今日一日の準備を進める。
(写真:新金谷駅/撮影:ロクマルサン)

●基本データ

登場年:1930(昭和5)年/大井川鐵道デビュー年:1997(平成9)年
運行区間:大井川本線

●大井川鐵道で一番調子の良いSL

 明治生まれの輸入蒸気機関車の置き換えを目的に製造されたタンク式蒸気機関車。国産技術をできる限り投入した結果高性能を発揮できたが、代わりに軸重が重くなり入線できる路線が限られてしまったため、それほど活躍の場が与えられず、1961(昭和36)年に全機廃車となった。

 しかし、8号機が岩手県宮古市のラサ工業の専用線で入換機として使用され、再び廃車にされると、今度は同じく宮古市の廃止された臨港線で「SLしおかぜ号」として動態保存されたものの、あまり人気を得られなかったことからすぐに運転を打ち切られてしまう。その後、手頃な蒸気機関車を探していた大井川鉄道(現、大井川鐵道)と譲渡先を探していた宮古市の意見が一致し、1994(平成6)年4月24日に同鉄道へ入線。そして1997(平成9)年に3度目の復活を遂げ、同年10月14日に営業運転を開始した。

 なお、他のC10形は全車解体されているため、この8号機が唯一の現存機である。

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