東急電鉄5000系


東急電鉄の標準車両となった5000系。写真は東横線用の5050系。
(写真:東急東横線 多摩川駅/撮影:デューク)

●基本データ

デビュー年:2002(平成14)年
5000系運行区間:田園都市線、地下鉄半蔵門線、東武伊勢崎線、東武日光線
5050系運行区間:東横線、東急新横浜線、相鉄新横浜線、相鉄本線、相鉄いずみ野線、横浜高速鉄道みなとみらい線、東京メトロ副都心線、有楽町線、東武東上線、西武有楽町線、西武池袋線
5080系運行区間:目黒線、東急新横浜線、相鉄新横浜線、相鉄本線、相鉄いずみ野線、地下鉄南北線、地下鉄三田線、埼玉高速鉄道線

●湘南新宿ラインのライバルもE231系!?

 ここでは東横線用の5050系、目黒線用の5080系もまとめて紹介する。

 JR東日本と東急車輛で共同開発したE231系電車をベースにして、コスト削減を図った田園都市線用の新型電車であるが、電気機械関係については一部を除き独自のものなっている。また、前面はE231系とは異なるデザインを採用したほか、側面はE231系と似ているが、帯色は田園都市線の路線カラーであるライトグリーンと東急電鉄コーポレートカラーである赤の2色としている。

 車内は15インチLCD2面(TOQビジョン)が搭載され、青系でまとめられている。また、行き先表示器は当初は種別幕は幕式で行き先表示は三色LEDとなっていたが、最近は種別にフルカラーLED、行先表示に白色LEDとなった編成もある。 

 2005年から私鉄では初めて6扉車を導入する事により編成変更を行い、初期3編成を除き全ての編成が6扉車組込みとなり混雑緩和に貢献。なお、5000系の投入により、同線の8500系列を順次、廃車・転属としている。

 5050系は5000系の東横線版で、編成は8両編成だが将来的には10両化も可能とした編成である。基本的には5000系に準ずるが、側面帯が路線カラーである桜色と赤色に変更されている。行先表示は種別にフルカラーLED、行き先に白色LEDを国内の営業車両で初めて搭載した。5050系の進出によって8000系・8590系などの一部が廃車となっている。 また、2011(平成23)年には地下鉄副都心線直通用の10両貫通編成である5050系4000番台が登場した。5050系とは細かい部分を除けばほぼ同一仕様である。同年9月より、8連に組み直されて営業運転に入っている。

 さらに2012(平成24)年9月からは、東横線と東京メトロ副都心線との直通運転開始前に、一足先に車両だけは東京メトロ副都心線、東京メトロ有楽町線、東武東上線、西武池袋線、西武有楽町線で運転を開始し、運行範囲を一気に広げた。2013(平成25)年3月16日改正で、直通運転を開始した。

 5080系は目黒線の輸送力増強用に登場した5000系のバリエーション。編成は6両編成だが将来的には8両化も可能とした編成である。側面帯は目黒線の路線カラーである薄い青系ではなく、3000系に準じた紺色と赤色となった。行先表示については初期2編成は種別に幕、行き先に三色LEDを採用したが、2006年以降に増備された編成は種別にフルカラーLED、行き先に白色LEDを採用した。

 車内についても初期2編成はLCD(TQQビジョン)を搭載せず2段式LEDが採用されていたが、2006年以降に増備された編成よりLCD2画面に変更され案内サービスを向上している。

●カラーバリエーション


地下鉄副都心線直通用に登場した5050系4000番台。見た目には車番ぐらいしか違いが分からない。
(写真:東急東横線 多摩川駅/撮影:ロクマルサン)

田園都市線用の5000系。
(写真:東急田園都市線 溝の口駅/撮影:裏辺金好)

目黒線用の5080系。
(写真:東急目黒線 多摩川駅/撮影:デューク)

東横線の5050系第4010編成は、2013年4月26日から渋谷ヒカリエ開業1周年記念特別列車「Shibuya Hikarie号」としてラッピング。ゴールドをアクセントカラーとしているのが特徴的。
(写真:東急東横線 妙蓮寺駅/撮影:裏辺金好)

東横線の5050系5122編成は、2017(平成29)年9月4日から東横線開業90周年を記念して、旧5000系(青ガエル)の塗装を再現した緑1色のラッピング列車に。
(写真:東急東横線 自由が丘駅/撮影:裏辺金好)

東横線の5050系5121編成は、2020(令和2)年9月から「SDGsトレイン 美しい時代へ号」(初代)としてラッピング。
(写真:東急東横線 綱島駅/撮影:裏辺金好)

東横線の5050系5175編成は、2023(令和5)年4月から「SDGsトレイン 美しい時代へ号」(2代目)としてラッピング。 SDGsの象徴のゴールカラー(17色)によるグラデーションを、車体上半分にデザインしているのが特徴。
(写真:東急東横線 綱島駅/撮影:裏辺金好)

東横線の5040系4005編成は、2024(令和6)年5月からJR東海の全面協力の下、東海道新幹線ラッピング車両となって運転されている。
(写真:東急東横線 菊名駅/撮影:裏辺金好)

東横線のロング・クロス転換車両による有料着席サービス「Q SEAT」車両。一部の8両編成を10両編成化し、専用車両として各編成とも2両を新製。2022(令和4)年10月からロングシート状態で運用を開始している。当初は4号車・5号車の2両でサービスを提供していたが、2024(令和6)年5月7日に5号車のみに減車された。なお、4号車の内外装は変更されていない。
(写真:東急東横線 綱島駅/撮影:裏辺金好)

○車内の様子


田園都市線の5000系車内。座席は青系統でまとめられている。(撮影:裏辺金好)

こちらも田園都市線の5000系車内だが、6ドア車置き換えのために登場した増備車。座席モケットは緑色、化粧板などは木目調になっている。また、一部座席にはレザー調のヘッドレストを追加。(撮影:裏辺金好)

東横線の5050系車内。 (撮影:裏辺金好)


東横線用の渋谷ヒカリエ号(4110F)の車内は、編成中に渋谷の街の特徴をイメージした3種類の内装が存在。こちらは、渋谷ヒカリエ号やオフィスゾーンの持つ透明感を表現した「クリア」と称するデザインで、1,3,8,10号車に採用。(撮影:裏辺金好)


東横線用の渋谷ヒカリエ号(4110F)の車内。こちらは、渋谷の持つエネルギッシュなイメージ等による「アクティブ」と称するデザインで、2,4,6,9,10号車に採用。このほか、5号車と7号車は「シック」と称するデザインを採用。(撮影:裏辺金好)


東横線用のQシート車の車内。こちらはロングシート状態で、有料着席サービス時には2人掛けの「クロスシート」に転換。リクライニング機能は無い。(撮影:裏辺金好)

東横線用のQシート車の車内。こちらは優先席で転換しないが、コンセントは常時使える状態となっている。(撮影:裏辺金好)

車内の行先案内表示器(撮影:裏辺金好)

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