○プロローグ

 かねてから噂されていた東京発の最後のブルートレイン「富士・はやぶさ」の廃止が関係JR各社から正式に発表され2ヶ月ほど経った2009年2月。私もせめてお別れ乗車をと連日売り切れの続いていた寝台券の購入に臨んだところ、10時打ち初挑戦で廃止2日前の上り「富士」の寝台券を手にすることが出来ました。
 と言うことで「取れたのが奇跡」とまで言われた「富士」乗車を軸として、前後にあれこれ付け足した旅行になりました。特に何か変わるわけではないのですが、一応は大学の卒業旅行でもあります。
(旅行者:リン)

▼3月9日

○第1ランナー 山陰本線快速「とっとりライナー」(キハ121形) 倉吉5:12 → 伯耆大山6:02

 最初の列車は始発の快速「とっとりライナー」。この列車はかつての急行「だいせん」の格下げとして登場しましたが、今度のダイヤ改正で廃止されることになっています。この後乗ることになる伯備線の普通列車や米子発益田行の快速「アクアライナー」に接続しており意外と便利な設定だったのですが…。

○第2ランナー 伯備線普通(115系) 伯耆大山6:15 → 新見7:54

 伯備線の普通列車に乗り換え南下。この辺も既に通い慣れた道といった感じです。

 新見に到着。ここでの40分ほどの待ち時間の間に「やくも6号」に追い抜かれるのですが、この列車の先頭が「ゆったりやくも」色のクモハ381形ということで撮影。駅に掲示されている編成表の中から1号車がグリーン車で6号車の運転台直後に乗降口がある列車がこの形態ということになります。
 車両図鑑に無く、いつか撮影しようと思っていたので好都合でした。


○第3ランナー 伯備線普通(115系) 新見8:39 → 倉敷9:51

 新見発相生行の長距離列車ですが、倉敷で下車し西に向かいます。

○第4ランナー 山陽本線普通(115系) 倉敷10:03 → 金光10:17

 本来ならさっさと西に向かってしまいたいのですが、この糸崎行の列車に乗っても終点での接続が悪いので金光駅で下車。ちょうど時間的に重なる貨物列車を撮影することにしています。

 それがこの2070レ。東広島にいる時もしょっちゅう撮影していた列車で、貴重になったEF65形が牽引する貨物列車の1つでした。しかし、今度のダイヤ改正からEF210形に置き換えられることになっているため、最後にもう1回EF65形の牽引が見られるかと期待していましたがこの日もEF210形の牽引でした。

 ちなみに金光駅の西側にある陸橋は、1915(大正4)年に建てられた古いもので、柱に「鐵道院」や製作した会社名を見ることができます。このタイプのちょっとお洒落な柱を持つ場合は大体明治後期〜大正にかけて建てられたものなので、探してみるのも面白いかも知れません。


○第5ランナー 山陽本線普通(115系) 金光10:42 → 糸崎11:38

○第6ランナー 山陽本線快速「シティライナー」(115系) 糸崎11:44 → 西条12:25

 左の列車から右の列車へと糸崎駅で乗り換えて西条へ。もう既にアパートは引き払っているのですが、単位の確認などの私用のために立ち寄りました。
 駅前からバスに乗り大学へ行き、単位が取れているのを確認し一安心。無事に卒業できるようです。


○第7ランナー 山陽本線快速「シティライナー」(115系) 西条14:02 → 広島14:37

○第8ランナー 可部線普通(105系) 広島14:46 → 可部15:24

 西条での用事を終え広島まで出ましたが、この後軽く3時間は暇な時間が続きます。広島駅に留まって撮影をしてもいいのですが、せっかくなので部分的に乗ったことの無かった可部線に行ってみることに。

 終点の可部駅から三段峡駅までは利用者の減少を理由として2003(平成15)年に廃止されました。ただし、可部〜河戸(こうど)間に関しては電化による復活の可能性が僅かながらも残されており、そのために線路などもほぼそのまま残されています。ただ、電化にかかる数十億円を全額広島市が負担するのが前提となっているため実現の可能性は極めて低いとのこと。

 かつて三段峡方面への列車が発着していた3番ホーム。現在は、ラッシュ時に2番ホームと共に使用されています。


○第9ランナー 可部線普通(115系) 可部15:48 → 広島16:25

 可部線の訪問を終え、広島駅に戻りましたが、それでもやはり1時間の余裕があります。せっかく103系E−04編成も来ましたし、しばし撮影でもしてみましょう。

 この編成、転属してきた当初は予備的な扱いで朝晩のラッシュ時にしかお目にかかれませんでしたが、最近は昼間も積極的に動いているようでずいぶんと見かけるようになりました。

 昨年秋以降、223系の追加投入により余剰となった221系で山陰本線京都口(嵯峨野線)の113系を置き換え、さらにその113系で広島地区の103系を置き換える…という二重の玉突きでの転属が行われています。この113系F−06編成もその流れでやって来た編成ですが、転属にかかる費用の節約のためなのか前面幕や車両番号の標記に急ごしらえの感が見て取れます。
 広島地区の103系には初期車も多く、10年程度でも新しい車両に置き換えるということなのでしょう。

○第10ランナー 山陽本線快速「シティライナー」(115系) 広島17:30 → 徳山19:21

 予定していた快速に乗り徳山まで移動。ここで21時4分発の上り「富士・はやぶさ」をバルブ撮影する予定になっています。

 さて、広島地区の103系と同様に、下関地区で使用される115系550番台も遂に置き換えが始まっています。こちらは福知山地区に投入された223系5500番台により捻出された115系2両編成での置き換えが行われています。最初期に投入された編成を除き広島リニューアル色と呼ばれる白ベースの更新色になっている他、ワンマン運転用の機器が撤去されています。

 従来の115系550番台に比べて座席のグレードは多少落ちたものの、座席数自体は増えている上に冷房の効きも良く、ドアの半自動も押しボタン式になったので総じてサービス向上と言えるでしょう。何よりトイレが設置されているのが大きいと思います。

 本題の「富士・はやぶさ」は定刻に到着。私を含め10人くらいでのんびりと撮影できましたが、オートフォーカスが上手く決まってくれず前ピンで撃沈…。バルブ自体は広島駅で何度もしてきたこととは言え悔しい結果です。

○第11ランナー 山陽本線普通(115系) 徳山21:22 → 新山口22:04

○第12ランナー 山陽本線普通(105系) 新山口22:05 → 下関23:12

○第13ランナー 山陽・鹿児島本線普通(415系) 下関23:13 → 小倉23:25

 「富士・はやぶさ」を見送り、さらに西へ。1分ずつの接続で小倉まで移動しこの日は終了。駅前にあるネットカフェに向かい、5時間の休息です。