▼第一次〜第三次中曽根康弘内閣（第７１〜７３代総理大臣）　
　　１９８２（昭和５７）年１１月〜１９８７（昭和６２）年１１月

○閣僚名簿

○主な政策

○総辞職の理由

○政党の動き

○解説

○景気の過熱

▼竹下登内閣（第７４代総理大臣）　 　　１９８７（昭和６２）年１１月〜１９８９（平成元）年６月 ○閣僚名簿 ・首相官邸ホームページ：竹下内閣、竹下改造内閣を参照のこと。 ○主な政策 ・消費税法を公布（８８年１２月） ○総辞職の理由 　リクルート事件疑惑のため ○解説 　竹下登（たけしたのぼる　１９２４〜２０００年）は、島根県の出身。中学校教師、県会議員を経て、１９５８（昭和３３）年から自民党の国会議員になりました。そして、田中角栄元首相が脳梗塞で倒れると、竹下が自民党の最大派閥である創政会を結成し、強い影響力を持ちます。 　さて中曽根前首相に指名されて首相となった竹下首相は、外交を重視したほか、内政面では、地方交付税を受ける全国約３１００の市町村に一律１億円を配布する「ふるさと創生事業」を実施。国が使い道を規定せず、自由に使ってよい・・・ということで、地域の自主性を尊重したものでしたが、妙なモニュメントの制作が続出するなど、何ともお笑いな事業も続出。具体的には、ウィキペディアで御確認ください。 　（参考）：ウィキペディア：ふるさと創世事業　 　また、懸案となっていた消費税の導入もついに決定。１９８９（平成元）年４月１日から３％の税率が商品にかかるようになりました。 ○リクルート事件 　さて、竹下内閣が退陣に追い込まれた原因がリクルート事件でした。これは１９８６（昭和６１）年９月に、リクルート社が子会社で不動産会社のリクルートコスモス社の未公開株を政治家、官僚、マスコミの実力者に配った贈収賄事件で、疑惑は広範囲に及びましたが、最終的には１２人が起訴されました。 　自民党の大物政治家も多数疑惑の対象に含まれ、竹下内閣は総辞職さぜるを得ませんでした。 青函トンネルの開業 　これまで海路での輸送に頼っていた北海道と本州ですが、１９８８（昭和６３）年３月１３日に青函トンネルを使用した鉄道輸送が開始されました。全長５３．８５km、海面下２４０ｍという壮大なものです。写真は２０１０年８月撮影。 東京ドームの開場 １９８８（昭和６３）年に、東京都文京区後楽一丁目にドーム型野球場「東京ドーム」が誕生。 読売巨人軍の試合を中心に、様々なイベントが行われ、東京の名所となっています。 ▼宇野宗佑内閣（第７５代総理大臣）　 　　１９８９（平成元）年６月〜１９８９（平成元）年８月 ○閣僚名簿 ・首相官邸ホームページ：宇野内閣を参照のこと。 ○主な政策 ・特に無し ○総辞職の理由 　宇野首相の女性スキャンダルのため ○解説 　リクルート事件には自民党の大物政治家の大半が巻き込まれており、次の首相として急きょ選ばれたのは宇野宗佑（うのそうすけ　１９２２〜９８年）でした。滋賀県出身の政治家で、竹下内閣では外務大臣を務めていましたが、派閥を率いているわけではありません。 　自民党はこれでイメージアップを図りますが、宇野首相の女性スキャンダルが報道され批判。これにリクルート事件、消費税への反発が加わって、１９８９年７月の参議院議員選挙で自民党は過半数を割る大敗を喫します。宇野首相は退陣を表明し、６９日間の短命政権となりました。 ▼第一次〜第二次海部俊樹内閣（第７６・７７代総理大臣）　 　　１９８９（平成元）年８月〜１９９１（平成３）年１１月 ○閣僚名簿 ・首相官邸ホームページ：第一次海部内閣、第二次海部内閣、第一次海部内閣（改造）を参照のこと。 ○主な政策 ・湾岸戦争で総額１３５億ドルを多国籍軍に援助 ○総辞職の理由 　総裁任期満了のため ○解説 　続いて首相になったのが、愛知県出身の海部俊樹（かいふとしき　１９３１年〜　）。海部首相の在任中に、フセイン大統領率いるイラクがクウェートに侵攻し、アメリカのブッシュ大統領は多国籍軍を組織させてクウェートを援助。イラクに対して攻撃を行います（湾岸戦争）。日本はこれに対して、最終的に総額で１３５億ドルの援助を行います。しかし国内世論もあり人的な支援は殆ど行うことが出来ず、戦後にクウェートでた感謝決議では日本は対象となりませんでした。 　なお、湾岸戦争が終結すると、１９９１（平成３）年４月２６日には海上自衛隊の掃海艇がペルシャ湾に出発。６月５日から９月１１日まで、ペルシャ湾で多国籍軍と共に、機雷等の除去で活躍しました。これは、日本にとって初めての自衛隊の海外派遣です。 　また内政面では、衆議院小選挙区比例代表制の導入、政治資金規正法改正などの政治改革を図りますが失敗。自民党の総裁任期満了に伴い、海部内閣は総辞職しました。 ○バブル経済の崩壊 　さて、中曽根内閣時代から好景気に浮かれていた日本でしたが、投機が投機を生む実体の無い景気の過熱は危険なものでした。そこで、日本銀行は１９８９（平成元）年５月から公定歩合を引き上げ、１９９０（平成２）年には６％としました。 　すると１９９０（平成２）年１月から５月にかけて株価の急落、債券価格の下落、円安の進行が発生。これをバブル経済の崩壊といいます。これ以後、日本は「失われた１０年」とも言われる深刻な経済不況に長らく悩むことになります。 　・・・しかし、２０００年代初頭には多少、景気が回復したように見えたものの、２０１１（平成２３）年現在では当時よりもさらに景気が悪化しているような感じ。当時と異なり、輸出産業は韓国など海外勢に負けまくり、産業も空洞化、高齢化の進行と、港考えるとまだバブル経済が崩壊した当時の方がマシでは・・・。と、これは個人的な感想。 現在の東京都庁の完成 東京を代表する光景の１つである、丹下健三設計の東京都庁。１９９１（平成３）年３月９日に完成しました。 　ところで、全然話は変わりますが１９９０（平成２）年１月１３日に初の大学入試センター試験が実施されました。従来の大学共通一次試験に代わるもので、私立大学も試験結果が利用可能となっています。 ▼宮澤喜一内閣（第７８代総理大臣）　 　　１９９１（平成元）年１１月〜１９９３（平成５）年８月 ○閣僚名簿 ・首相官邸ホームページ：宮澤内閣、宮澤内閣（改造）を参照のこと。 ○主な政策 ・ＰＫＯ協力法を公布（９２年６月） ・自衛隊をカンボジアに派遣（９２年９月） ○総辞職の理由 　内閣不信任案可決、総選挙で敗北のため ○解説 　自民党単独内閣としては最後の首相となった宮澤喜一（みやざわきいち　１９１９〜２００７年）。東京都出身の政治家で、大蔵官僚を経て政治家になりました。 　さて、宮澤内閣では湾岸戦争の際の教訓を元に、海外で自衛隊による援助が可能なように、ＰＫＯ協力法（国際平和協力法）を制定します。国連の平和維持活動と人道的な救援活動への協力を定めたもので、１９９２（平成４）年９月には早速、内戦後の混乱が続くカンボジアに派遣。道路や橋の復旧や、物資の輸送などで活躍しています。 　長期政権も期待された宮澤内閣でしたが、贈収賄事件である佐川急便事件（自民党経世会会長の金丸信が佐川急便側から５億円のヤミ献金を受領）へ批判が高まり、自民党内部からも造反が出て内閣不信任案が可決。宮澤首相は衆議院を解散しますが、これをきっかけに、自民党から離党者が相次ぎ、衆議院議員総選挙で自民党は大敗。ついに、自民党は政権の座を終われることになりました。 ○北海道南西沖地震 　１９９３(平成５)年７月１２日に北海道南西沖を震源とするマグニチュード７．８の北海道南西沖地震が発生し、奥尻島が地震による１０ｍを超える津波に襲われ、崖崩れ、火災の発生とも相まって壊滅的な被害を受けます。奥尻島では死者は２０２名、行方不明者２８名という大惨事となりました。 　発生したのが午後１０時１７分と夜遅く、住民の避難が遅れたのも要因の１つです。 　奥尻島ではその後、巨大な防潮堤や避難路の整備などが行われました。また、津波警報の出し方など、問題点の洗い出しもある程度行われましたが、今更ながら津波に対する問題点をもっと全国で共有できていれば、東日本大震災への備えも多少違ったものになっていたのでは？と思わずにはいられません。 ▼参考文献 日本２０世紀館　（小学館） ジャパン・クロニック日本全史　（講談社）　 詳説　日本史　（山川出版社） 結論！日本史２　近現代史＆テーマ史編　（石川晶康著　学研） この一冊で日本の歴史がわかる　（小和田哲男著　三笠書房） 読める年表日本史　（自由国民社） 新詳日本史　（浜島書店） 実録首相列伝（学研　歴史群像シリーズ） 次のページ（第９３回　短命に終わった非自民政権）へ 前のページ（第９１回　三角大福の時代）へ ↑ PAGE TOP data/titleeu.gif