▼細川護熙内閣（第７９代総理大臣）　
　　１９９３（平成５）年８月〜１９９４（平成６）年４月

○閣僚名簿

○主な政策

○総辞職の理由

○解説

○農産物の輸入自由化

○政治改革

○国民福祉税構想と細川首相の退陣

○日本初の世界遺産

▼羽田孜内閣（第８０代総理大臣）　 　　１９９４（平成６）年４月〜６月 ○閣僚名簿 ・首相官邸ホームページ：羽田内閣を参照のこと。 ○主な政策 ・予算案の成立 ○総辞職の理由 　内閣不信任案可決の見込みであったため ○解説 　続いて新政党党首の羽田孜（はたつとむ　１９３５年〜）が、日本社会党、新生党、公明党、日本新党、民社党、自由党、改革の会。閣外協力として新党さきがけ、新党みらい から選ばれて首相に就任。新党みらいは、細川首相退陣後に自民党の鹿野道彦（１９４２年〜）らが離党して結党した小政党です。 　さて長野県出身の羽田首相は、社会党が連立から離脱したために少数与党で政権を運営。予算案の成立をさせるのがやっとな状況で、内閣不信任決議が衆議院に提出。自民党、社会党などの賛成多数で可決される見込みとなりました。この時、まだ選挙区区割り法案が通っておらず、従来の中選挙区制度での選挙となるため、衆議院の解散に踏み切れなかった羽田首相は、退陣を選択しました。 　在任期間は僅か６４日間！ 　東久邇宮稔彦王内閣（５４日間）、第３次桂太郎内閣（６２日間）に次ぐ、日本政治史上３番目の短さです。 ▼村山富市内閣（第８１代総理大臣）　 　　１９９４（平成６）年６月〜１９９５（平成７）年８月 ○閣僚名簿 ・首相官邸ホームページ：村山内閣、村山改造内閣を参照のこと。 ○主な政策 ・原爆被害者援護法を公布（９４年１２月） ・阪神・淡路大震災への対応（９５年１月〜） ・地下鉄サリン事件への対応（９５年３月） ・村山談話を閣議決定（９５年８月） ○総辞職の理由 　人心一新を理由とする ○解説 　村山富市（むらやまとみいち　１９２４年〜）は社会党の党首で、大分県の出身。大分市議会議員、大分県議会議員を経て、衆議院議員となった人物です。経歴だけ見ると見事な政治家人生ですが、漁師の息子（しかも１１人兄弟の６男）として生まれ、機械工場や印刷工場で働きながら進学し、苦学の末に旧制明治大学専門部政治経済科を卒業しています。 　さて、なんと社会党の党首を首相に、自民党と新党さきがけが連立を組むという「自社さ連立政権」が発足。５５年体制での与野党第一党同士がくっつくという、奇怪な政治の動きには多くの国民が驚きました。特にイデオロギー面で自民党と社会党は左右に分かれており、両者ともまずは政権復帰という利害が一致したことが読み取れます。 　そして首相に就任した直後に、村山首相はアメリカのビル・クリントン大統領と電話会談。日米同盟の堅持を約束し、アメリカ側の不安感をある程度解消させました。 　さて、１年ちょっとの政権でしたが、村山政権は阪神・淡路大震災、さらにオウム真理教によるテロ事件と、内政問題で対応を次々と迫られます。当時は対応が遅いと叩かれた村山首相でしたが、菅首相の東日本大震災対応に比べれば遥かにマシ・・・という声もちらほら。 　また８月１５日に閣議決定を行った村山談話（戦後50周年の終戦記念日にあたって）は 「遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます。」 　という表現を盛り込み、これ以後は日本政府の方針となっています。 関西国際空港 　１９９４年９月４日、大阪府南部（大阪湾内泉州沖５ｋｍ）の人工島に完全２４時間運用可能な国際空港として関西国際空港が開港しました。成田空港と並んで、日本から海外へ向かう空の玄関口として機能しています。 ○阪神・淡路大震災 　１９９５（平成７年）１月１７日午前５時４６分、淡路島北端北部を震源とするマグニチュード７．３の地震が発生（阪神・淡路大震災）。神戸、芦屋、西宮、宝塚各市の一部で震度７を記録し、死者６４００人弱の大惨事となりました。なにしろ大都市で家屋や人口も多いことから、約２４万棟の家屋が倒壊し、死因は家屋倒壊などによる圧死が９割でした。 　またビルの倒壊や全半壊、各地からの火災の発生、阪神高速道路の倒壊、山陽新幹線の橋脚落下なども起こります。そして、こうした大災害をあまり想定していなかったこともあり、自衛隊の派遣も遅れ、村山首相や兵庫県知事はかなり叩かれることになります。 神戸市に残る震災モニュメント 　初動期では遅れを取った村山首相でしたが、自民党の小里貞利を震災発生３日後に地震対策担当相に任命。現地で陣頭指揮を取らせています。その後は震災発生１カ月後に被災者の所得税などの減免措置を盛り込んだ緊急特別立法関連３法案を成立させるなど、２カ月間で計１６本の法律を成立させて法制度を整備。 　仮設住宅についても震災後４３日で７０１３戸が完成。同７４日では３万８３９９戸を完成させています。もちろん、関係者の努力あってのものでございますが・・・。 ○政党の動き 　ところで、村山政権の発足により野党となった非自民・非共産勢力は、小選挙区での競合を避けるために新生党、公明党の一部、民社党、日本新党、自由改革連合などが結集して新進党を１９９４（平成６）年１２月１０日に発足。野党第一党として、政権と対峙します。党首になったのは海部俊樹元首相でした。 ▼参考文献 日本２０世紀館　（小学館） ジャパン・クロニック日本全史　（講談社）　 詳説　日本史　（山川出版社） 結論！日本史２　近現代史＆テーマ史編　（石川晶康著　学研） この一冊で日本の歴史がわかる　（小和田哲男著　三笠書房） 読める年表日本史　（自由国民社） 新詳日本史　（浜島書店） 実録首相列伝（学研　歴史群像シリーズ） 発生２カ月　菅内閣ＶＳ村山内閣…対応遅れ、首相のパフォーマンス　（産経新聞２０１１年５月１１日付） 次のページ（第９４回　自民党政権再び、橋本政権から森政権まで）へ 前のページ（第９２回　自民党単独内閣の終焉）へ ↑ PAGE TOP data/titleeu.gif