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 これが中国の政治システムだ!

担当:裏辺金好
○はじめに

 ニュースで色々な政治用語が出てきますが、よく解らない事って多いですよね。特に外国の政治になるとさっぱりなことが多い。何故かといいますと、もちろんその政治用語の意味が解らないということではありますが、そもそも大前提となる政治システム、つまり内閣の仕組みだとか国会の仕組みだとかが解らないので、いくら単語単位で一時的に覚えたとしても直ぐに忘れてしまうんですね。そこで、ここでは世界各国の政治システムについて御紹介しようとも思います。

 第3回目は、中華人民共和国です。さてさて、一体どんな政治システムなんでしょうか。


1.まずは図で御紹介


2.基本

 共産党が指導する中華人民共和国。「労働者が指導する、労農同盟を基礎とする人民民主独裁の社会主義国家(憲法第1条)」「国家の全ての権力は人民に属し、人民は中国人民代表会議を通じて国家権力を行使する」であり、労働者・人民主権の民主主義国家であるとしています。そして、現在の政治システムは1982年に制定された憲法に基づいています。

 ちなみに指導政党(執政党)である共産党のほか、参政党として中国国民党革命委員会など8つの党派が存在しています。ただし、共産党以外が国家を指導できないように憲法で定められています。


3.国家主席

 正式名称は中華人民共和国主席。
 国家の代表であり、その仕事としては
 1.外国使節の接受
 2.栄典授与・恩赦を与える
 3.中国の国会にあたる全人代、全人代常務委員会の決定に基づく法律の公布
 4.国務院総理・副総理・国務委員の任免 などがあります。

 国家主席は、これを補佐する国家副主席と共に全人代によって選出されます。そして、ともに2期まで務めることが出来ます。

4.国務院(中央人民政府)

 中華人民共和国の行政は、国務院(中央人民政府)が担っています。ここが最高国家権力の執行機関であり、最高の国家行政機関である」とされ、総理、複数の副総理、国務委員、各部部長、各委員会主任、審計(会計検査)長と秘書長(国務院の日常の仕事を処理)で構成されています。

 日本の内閣にあたるシステムとしては、総理・副総理・国務委員・秘書長で構成される常務委員会があります。
 そして、総理国家主席の指名で全人代が任命(決定)。
 それから、副総理以下の役職は総理の指名によって全人代が任命(決定)します。
 任期は全人代と同じ5年で、総理・副総理は2期まで務めることが出来ます。そして、国務院は全人代に責任を負い、全人代が閉会されている時には全人代常務委員会に責任を負います。

 御仕事の内容としては、一般的な行政の執行、行政規則制定、議案を全人代や全人代常務委員会に提出、条約の締結などがあります。

5.全人代(全国人民代表大会)

 中華人民共和国の国会・議会です。
 人民によって委員は、省、自治区、直轄地、軍隊から選出から選出され、任期は5年で今の代表者は2977名です。
 国家の最高権力機関とされ、常設機関として全人代常務委員会があります。ここには、委員長、副委員長、秘書長、委員という役職があり。2期まで再選可能です。この常設機関が、毎年1回全人代を招集し、また必要と認め、あるいは5分の以上の全国人民代表大会代表の提議がある場合、臨時に全国人民代表大会会議を召集することができることになっています。


 お仕事は、憲法の改正・監督、基本的な法律の制定・改正、、国民経済社会発展計画の審査・承認、国家予算の審査・承認、それから

・中華人民共和国主席の指名に基づいて、国務院総理を任命。
・国務院総理の指名に基づいて、国務院副総理、国務委員、各部の部長、各委員会の主任、会計検査長、秘書長を任命。

・中央軍事委員会主席を選出する。中央軍事委員会主席の指名に基づいて中央軍事委員会のその他のメンバーを任命。

・最高人民裁判所裁判長を選出する。


また、以下のものを罷免する権限があります。

(1) 中華人民共和国主席、副主席。
(2) 国務院総理、副総理、国務委員、各部の部長、各委員会の主任、会計検査長、秘書長。
(3) 中央軍事委員会主席と中央軍事委員会のその他のメンバー。
(4) 最高人民裁判所裁判長。
(5) 最高人民検察院検察長。


6.中央軍事委員会

 その名の通り、「全国の武装力(中国人民解放軍、中国人民武装警察部隊と民兵)を主宰する」機関で、主席と複数の副主席、委員で構成され、これも全人代から選ばれます。任期もやはり5年で、主席は全人代と全人代常務委員会に責任を負います。ちなみに現在は、江沢民が主席となっており、未だに政治に影響を残していることになります。

7.裁判所

 最高人民法院以下、高級(各省・直轄市・自治区に1つずつ)、中級、基層の4級の人民法院がおかれ、これに対応して日本の最高検察庁に相当する最高人民検察院以下、省、地区、県の人民検察院があります。ただし、基本的には二審制となっているのが特徴。さらに、日常的なもめごとの処理は人民調停委員会がよく利用されています。

8.地方自治

 まず、
1、全国は省・自治区、直轄市に分けられる。
2、省・自治区は自治州、県、自治県、市に分けられる。
3、県・自治県は郷、民族郷、鎮に分けられる。
4、直轄市と規模の大きい市は区、県に分けられる。
5、自治州は県、自治県、市に分けられる。 と、まあちょっと混乱しそうになりますが、こんな仕組みです。

 そして原則的には省、直轄市、県、市、市轄区、郷、民族郷、鎮でそれぞれ設置された地方各クラス人民代表大会、政府、裁判所と検察院が存在しています。


参考:中国の政治制度 http://www.china.org.cn/ri-zhengzhi/index.htm
LEC東京リーガルマインド 精選 講義編政治学
マイクロソフト エンカルタ総合大百科2004
 (写真:紫禁城/撮影:七ノ瀬悠紀)


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