キハ80系特急形気動車
国鉄型気動車特急の代表であるキハ80系。JRが発足すると急速に置き換えが進められた。
(写真:クロフォード公園/撮影:裏辺金好)
●基本データ
デビュー年:1960(昭和35)年元保有会社:国鉄、JR北海道、JR東海
最高速度:100km/h
元使用列車:おおぞら、オホーツク、北海、おおとり、北斗、はつかり、つばさ、いなほ、ひたち、ひだ、南紀、くろしお、まつかぜ、はまかぜ、あさしお、かもめ、にちりん、おおよど など
●北海道から九州まで運用された、国鉄初の特急形気動車
東海道本線系統では、初の電車特急「こだま」が運転開始していたが、東北本線では非電化区間が多かったこともあり、相変わらず旧式の客車が主体だった。しかし、1970(昭和35)年10月に開催される「第2回アジア鉄道首脳者懇談会(A.R.C.)」への東南アジア諸国へのPRもあって、初の気動車による特急が開発された。最初に投入されたのは特急「はつかり」で、1960(昭和35)年12月より運転を開始。この時、先頭者はボンネット型(キハ81形)6両が投入され、その特異なスタイルから”ブルドッグ”との愛称もついた。さらに翌年、先頭車を分割併合運転が可能なように貫通式としたキハ82が登場。これ以後、先頭車はキハ82形が製造されるようになる。そして、1967(昭和42)年まで384両が製造され、北海道から九州まで広範囲で運用されることになる。
しかしながら、電化区間の拡大と老朽化により、まずキハ81形は阪和線の特急「くろしお」運用を最後に1979(昭和54)年に引退。キハ82形も、JR発足時にはJR北海道とJR東海で活躍するのみとなり、1992(平成4)年に引退した。
現在、以下の車両が保存されている。
@北海道三笠市本町のクロフォード公園にキハ82などの6両編成(キハ82 100 、キハ80 150、キシ80 27 、キロ80 52、キハ80 145、キハ82 87)、三笠鉄道記念館でキシ80 31(食堂として活用)
A小樽市総合博物館(旧小樽交通記念館)にキハ82 1、キシ80 12、キシ80 34
BJR北海道苗穂工場でキハ82 86のカットモデル
Cメモリアルシップ八甲田丸(青森市)でキハ82 101
DJR東海のリニア・鉄道館でキハ82 73
E喫茶店ニセコ(岐阜県本巣郡北方町北方町総合体育館前)で、キハ82 31のカットモデル
E京都鉄道博物館にキハ81 3
●キハ80系バリエーション一覧
晩年は紀勢本線の特急「くろしお」で活躍したキハ81形。
(写真:特急くろしお 天王寺駅/撮影:ひょん君)
JR東海は車体側面のロゴがオレンジ色であったのが特徴。
(写真:特急ひだ 高山駅/撮影:haru様 禁転載)
三笠鉄道記念館で使用されているキシ80 31。新手の国鉄色とも言える、独自の色に塗られている。
(写真:三笠鉄道記念館/撮影:裏辺金好)
三笠鉄道記念館のキシ80 31は以前、このような塗装だった。2007年6月撮影。
(写真:三笠鉄道記念館/撮影:裏辺金好)