107系一般形電車


信越本線や両毛線で活躍した107系100番台の塗装。
(写真:高崎車両センター/撮影:裏辺金好)

●基本データ

デビュー年:1988(昭和63)年
保有会社:上信電鉄
元保有会社:JR東日本
元運行区間:上越線、両毛線、日光線、信越本線、吾妻線、東北本線(小山〜黒磯)

●自社製造のリサイクル車両

 1988(昭和63)年登場。JR東日本の両毛線や日光線の普通列車に使用されていた165系の老朽化が著しく、デッキ付き片側2扉という車体構造によって、朝ラッシュ時の乗降に時間がかかること、さらに3両編成が日中の輸送力に過剰であることから、この更新を図るべく投入された車両である。

 車体形状は105系に類似したもので、半自動式の両開き扉を片側3か所に設置。さらに2両編成としたことで、2両から6両まで、幅広い編成を組めるようになった。車内はロングシートで、クハ106形にトイレが設置されている。

 日光線用の0番台と、高崎地区用の100番台の2種類が存在しており、100番台は0番台と異なり、砂撒装置・霜取パンタグラフが未搭載であることや、EF63形による牽引・推進運転を可能とする横軽対策が施工されている。また、100番台の中でも6編成目からの2次車は側面の戸袋窓が廃止され、窓割が変更されている。

 なお、製造コストダウンを図るため、165系から主電動機や台車などを流用したほか、通常ならば東芝や東急車輌(現・総合車両製作所)など専門の会社に製造してもらうところを、訓練のため、あえて自社の大井工場(現・東京総合車両センター)や新津車両所(→新津車両製作所、現・総合車両製作所新津事業所)などで製造した。

 今では、JR東日本の新型車の多くを総合車両製作所新津事業所で製造しており、107系はその先駆けとなった記念すべき車両である。

 その後、主に日光線で活躍していた0番台は、2013(平成25)年3月16日改正で、全車が205系600番台に置換えられ、引退した。また、高崎地区で活躍していた100番台は211系によって2016(平成28)年から廃車が開始され、2017(平成29)年10月7日のさよなら運転を以って引退。ところが、なんと高崎駅で接続する上信電鉄へ6編成12両が譲渡されることに。同社の主力車両として、一気に躍り出ることになった。

●107系バリエーション一覧


主に日光線で活躍した107系の旧塗装。日光線の頭文字か、Nのようなラインが特徴。レトロ化塗装により、2010年1月に消滅。
(写真:日光線 日光駅/撮影:裏辺金好)

2009年に登場した日光線の新塗装。駅施設も含め日光線全体で進めているレトロ調を意識したもの。
(写真:日光線 文挟駅/撮影:裏辺金好)


ラストランを前に掲出されたステッカー。
(写真:上越線 高崎駅/撮影:裏辺金好)

●車内の様子


日光線用の107系車内。オールロングシートである。
(撮影:オグリン様 禁転載)

高崎地区の107系100番台の車内。
(撮影:オグリン様 禁転載)

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