371系特急形電車


小田急小田原線を走り、小田急新宿駅を発着していたJR371系。
(写真:小田急小田原線 秦野駅/撮影:裏辺金好)

●基本データ・運用区間

デビュー年:1991(平成3)年
保有会社:富士急行
元保有会社:JR東海
最高速度:120km/h
元使用列車:あさぎり、ホームライナー沼津
元運行区間:小田急小田原線、JR御殿場線、JR東海道本線

●僅か1編成7両しかない特急電車は、小田急の同僚と富士急で再起!

 1991(平成3)年登場のJR東海初製造の特急電車。
 JR東海が、JR東日本の路線を使わず、なんと自社の御殿場線と小田急線を使用して、新宿と沼津を結ぶ特急「あさぎり」を新設し、小田急と共に運行を開始。1編成7両しか製造されていないため、検査時には小田急の車両が代走する運用形態であった。なお、JRの特急の中で最も製造両数が少ない系列である(JR東日本のハイグレード車両E655系を除く)。

 その独特なフォルムは、共同運行される小田急20000形(RSE)に規格を合わせたものである。塗色は100系新幹線にあわせ、白をベースに青のラインを配している。また、2階建て車両も組み込み、グリーン車は総てそこに集約。カーペットを敷き詰めるなど、設備はかなり凝ったものである。

 2012(平成24)年3月17日改正で特急「あさぎり」及び「ホームライナー沼津」運用から離脱し、定期列車としての運転を終了した。その後、臨時快速「さわやかウォーキングごてんばライナー」、臨時快速「いわたウォーキング」、臨時急行「富士山トレイン371」、臨時快速「おやまウォーキング」号、臨時急行「中山道トレイン371」号として時おり稼働するに留まり、2014(平成26)年11月末の臨時急行「御殿場線80周年371」号に運用されたのを以って、引退してしまった。

 そして2015(平成27)年3月に富士急行への譲渡が決定。3両編成に改められ、同社8500系として水戸岡鋭治氏デザインに内外装が改められた上で、2016(平成28)年4月23日から営業運転を開始した。奇しくも特急「あさぎり」として共通で運用されていた小田急20000系を改造した、富士急行8000系と再び同一路線を走行することになった。

●車内の様子


普通車の様子。371系は間接照明を採用し、床はすべてカーペット敷きとしている。また、客室端部にLEDスクロール式の情報案内表示器が設置されている。
(撮影:裏辺金好)

●ギャラリー


小ぶりながら、絵入りのトレインマークを装備している。
(撮影:裏辺金好)

●富士急行譲渡後


赤茶色をベースとした塗装に変更され、印象を大きく変えた。
(写真:富士急行線 大月駅/撮影:裏辺金好)

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