413系一般形電車
北陸地区の普通列車では珍しく、側面方向幕を装備。
(写真:北陸本線 高岡駅/撮影:裏辺金好)
●基本データ
デビュー年:1986(昭和61)年保有会社:あいの風とやま鉄道、えちごトキめき鉄道
元保有会社:JR西日本
運行区間:あいの風とやま鉄道線、えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン、IRいしかわ鉄道線
元運行区間:北陸本線、七尾線
●車体だけ新しく造ってみました
413系は、北陸本線用に1986(昭和61)年から投入された車両。通勤・通学用には使い勝手の悪かった471系、473系などの急行型電車の機器を再利用し、車体を新製する事でコストの低減を図った。いずれも3両編成であり、左右に両開き2扉を配置し、車内は扉付近をロングシート、その他をボックスシートとしたセミクロスシート配置としてラッシュ時の乗降性を高めている。また、2015(平成27)年3月14日の北陸新幹線金沢開業に際して、北陸本線の一部区間を引き継いだ「あいの風とやま鉄道」に3両×5編成が体質改善工事を施行の上で譲渡された。
同社ではラッシュ時を中心に運用されているほか、2016(平成28)年9月28日からはAM03編成(もとB03編成)がイベント対応車両「とやま絵巻」として簡易改造された上で、運転開始。塗装は黒を基調とし、おわら風の盆や五箇山の合掌造り、氷見の寒ブリなど16種類の色鮮やかなイラストを描いたほか、内装は座席のモケットを緑色や青色のカラフルな生地に張り替えている。
2019(平成31)年4月6日からは、トップナンバー編成であるAM01編成(もとB01編成)が観光列車「一万三千尺物語」に改装され土休日を中心に運転を開始。外観は標高3000mの立山連峰の稜線と、深海1000mの富山湾とオレンジ色の朝日をイメージした配色としている。なお、一万三千尺とはメートル法で約4,000mであり、立山連峰と富山湾の高低差を表している。
内装は天井、テーブルなどに富山県産の「ひみ里山杉」を使用するなど、木のぬくもりを活かしたデザインに。また、1号車に立山連峰を望む一人掛けのカウンター席や多目的トイレが設置されたほか、2号車は地酒やドリンク、土産物を販売する売店と厨房、富山の各市町村の特産品を紹介するディスプレイを備えている。
一方、JR西日本に残存した車両については、新たに七尾線での運用が開始され、塗装を415系800番台と同じく赤色単色塗装へ変更している。このうち、B04編成にクハ455-701、B11編成にクハ455-702が組み込まれており、現役最後の急行型電車となっている。2021(令和3)年3月13日改正で415系と共に定期運用を離脱し。JR西日本から413系は引退することになった。
一方で1編成3両をえちごトキめき鉄道が購入し、クハ455−701と共に、えちごトキめき鉄道へ譲渡。国鉄急行色に復元の上で2021(令和3)年5月から観光列車として土休日に運転されることになった。なお、クハ412−6は直江津駅構内にオープンするD51レールパークに展示される。
なお、本系列は交直流両用車であるが、同様の手法によって常磐線、九州南部向けに717系交流電車が同時期に誕生している。
●カラーバリエーション
2012年1月に登場した、青一色に単色化された車両。
(写真:北陸本線 高岡駅/撮影:リン)
2015年4月に登場した、七尾線向けの単色。
(写真:七尾線 能瀬〜宇野気/撮影:CH ※禁転載)
あいの風とやま鉄道のイベント対応編成である「とやま絵巻」。
(写真:あいの風とやま鉄道線 高岡駅/撮影:裏辺金好)
あいの風とやま鉄道の観光列車「一万三千尺物語」。
(写真:あいの風とやま鉄道線 高岡駅/撮影:裏辺金好)
形式ガイド
クモハ413−1〜
(クモハ413−1 IRいしかわ鉄道線 金沢駅/撮影:裏辺金好)
糸魚川方の制御電動車。 クモハ471形の車体更新車で、電気機器や冷房装置、台車などが流用されている。
モハ412−1〜
(モハ412−1 IRいしかわ鉄道線 金沢駅/撮影:裏辺金好)
中間電動車で、モハ470形の車体更新車。冷房装置は集中型。
クハ412−1〜
(クモハ413−1 IRいしかわ鉄道線 金沢駅/撮影:裏辺金好)
金沢方の制御車で、大半はクハ451形の車体更新車であるが、クハ412−3、クハ412−83・8はサハ451形の車体更新車である。また、トイレ・水タンク・汚物処理装置を搭載している。