関東鉄道キハ100形・キハ300形
新型車両に押されながら、21世紀になっても本来の用途である「通勤」輸送を行ったキハ350形。
(写真:常総線 下館駅/撮影:裏辺金好)
●基本データ
関東鉄道デビュー年:1987(昭和62)年元運行区間:常総線
●関東鉄道の通勤通学輸送を支えた国鉄通勤形気動車
いずれも国鉄・JRの通勤型気動車キハ30系(キハ30形・キハ35形)を購入して登場(なお、キハ301は関連会社の筑波鉄道で使用していたものを、同鉄道の廃止に伴い転属してきたものである)。国鉄では主に、大都市近郊の非電化区間で通勤輸送で活躍したが、電化区間の拡大によりローカル線へ転出。日本全国各地域で見かけることが出来たが、現在は関東鉄道とJR東日本久留里線で活躍のみとなっている。キハ300形は、主に旅客の多い取手〜水海道で両運転台のキハ300形(旧・国鉄キハ30形)、片運転台のキハ350形(旧・国鉄キハ35形)が2両編成を基本に最大4両編成で活躍。古きよき国鉄時代の雰囲気を濃く残す、ファンにはたまらない光景を展開している。
しかし老朽化には勝てず、新型車両への取替えが順次進められ、キハ350形は2011(平成23)年10月に引退した。
なお、基本的にはキハ0形などと同じ塗装だが、常総線開業90周年を記念で登場した、国鉄時代の雰囲気に非常によく似たツートンカラーの編成や、映画パッチギ! LOVE&PEACE撮影のために、京浜東北線をイメージとしたスカイブルーに塗られた編成がある。また、同社では冷房機関の設置、機関の更新など時代の変化に合わせたカスタマイズも行われている。
一方、キハ100形は需要の少ない常総線北部の水海道〜下館でワンマン運転するために改造された車両。運賃箱、整理券発行機、自動案内放送装置などが設置。うち1両(キハ101)は2007(平成19)年より、国鉄時代の朱色1色に戻されている。
2017(平成29)年1月8日に引退記念の撮影会が開催され、1月14日から15日にかけて保存先である茨城県筑西市のヒロサワシティに譲渡されている。
●カラーバリエーション
キハ100形2両のうち、キハ101は2007年から国鉄時代の朱色1色に塗られている。
(写真:水海道駅付近/撮影:裏辺金好)
常総筑波鉄道時代をイメージしたキハ100形のツートンカラーは、上部クリームの下が濃い青色。2001年に施された塗装。
(写真:常総線 下館駅/撮影:裏辺金好)
京浜東北線をイメージとしたスカイブルーに塗られた編成。
(写真:水海道車両基地/撮影:裏辺金好)
常総線開業90周年を記念し、関東鉄道の旧標準色となったツートンカラーの編成。
(写真:水海道車両基地/撮影:裏辺金好)