京阪電鉄60形
寝屋川車庫に保存されている60形「びわこ号」。
(写真:寝屋川車庫/撮影:投稿写真 ※禁転載)
●基本データ
デビュー年:1934(昭和9)年元運行区間:京阪本線、京津線
●日本初の連接車体構造で登場した「びわこ号」
登場時、既に高速運転を行っていた京阪本線と急勾配・急曲線を有する大津線の、全く別の線路環境である2線を直通運転を行うために登場した、日本初の連接構造を採用した車両。当時は大津線がポール集電、それに対して京阪本線はパンタグラフで集電していたため、2線を直通する60形にはパンタグラフとポールの両方が搭載された。また、乗降口も高床用とステップ付きの低床用の2種類が設置されている。登場当初は目的通り、大阪〜大津直通の特急「びわこ号」に使われていたが、京阪本線の車両が大型化してくると60形では収容力不足となったことから末期は大津線のみでの運行となった。
その後、京津線へのATS導入に伴い、老朽化していた60形は順次廃車、1970(昭和45)年のさよなら運転をもって営業運用から引退し、最近までは京阪の歴史的車両としてひらかたパークに保存されていたが、同園のリニューアルに伴い、保存場所が寝屋川車庫に移され、現在では同車庫の公開時に姿を見ることができるようになっている。
なお、2010(平成22)年には京阪と寝屋川市が中心になって、60形の動態保存化を行う構想があることが発表。2014(平成26)年11月9日に寝屋川車庫構内で構内入替車である70形の牽引により走行している。
●車内
60形の車内。
(写真:寝屋川車庫/撮影:投稿写真 ※禁転載)