京成電鉄AE形
       Keisei Electric Railway Type AE

(写真:京成本線 京成船橋駅/撮影:JS3VXWの鉄道管理局 禁転載)
●基本データ
デビュー年:1972(昭和47)年
元・運行区間:京成本線

●不運の連続であった日本初の空港連絡特急車両
 新東京国際空港(成田空港)の開港を翌年に控えていた年に登場した、日本初の空港連絡特急専用車両。形式名のAEは「Airport Express」が由来であり、2代目「スカイライナー」用のAE100形にも引き継がれた。京成初の界磁チョッパ制御車となり、50km/h以上では任意の速度を保ったままでの走行が可能な定速走行機能が搭載されていた。

 しかし、AE形の登場目的である成田空港の開港が住民や過激派の反対により遅れに遅れてしまい、登場後はしばらく宗吾車両基地に留置となってしまい初の営業運転は1973(昭和48)年の暮れの、上野〜成田間の特急という本来の空港特急という使命からは大きく外れたものとなった。また、成田空港開港直前の1978(昭和53)年には、AE29号車が過激派によって放火され廃車となってしまう事態が起きてしまい、まさに不運の連続であった。

 後に、ようやく本来の目的である空港連絡の特急としてリニューアルや8両編成化されるも、後継のAE100形が増備されていくにつれて順次運用を離脱、1993(平成5)年6月のさよなら運転をもって全車が運用を終了した。

 現在では、AE形は全て3400形に足回りを譲り車体は解体されているが、1両のみ宗吾車両基地に静態保存されている。

●現在の姿

AE形AE61号車が保存されている。
(写真:宗吾車両基地/撮影:与太郎)