東急電鉄旧5000系
(写真:目蒲線 蒲田駅/撮影:もこてん)
●基本データ
デビュー年:1954(昭和29)年運行区間:熊本電気鉄道(上熊本駅構内で動態保存)
元、運行区間:東横線、田園都市線、大井町線、目蒲線、福島交通飯坂線、岳南鉄道線、上田交通上田線、長野電鉄(長野線、河東線、山の内線)、松本電気鉄道上高地線
●東急引退後も全国各地で活躍した「青ガエル」
航空機の技術を応用した超軽量車体かつ、日本で初めて本格的に直角カルダン駆動方式を採用した車両で、「青ガエル」などと呼ばれた新性能電車。当初は、東横線で運行されていたが、7000系等の後継車が登場した頃からは田園都市線、大井町線を中心に運行された。晩年は目蒲線で使用され1986(昭和61)年東急から引退したが、その後も各地で5000系譲渡車が活躍し、現在でも一部が活躍している。なお2006(平成18)年10月中旬から、上田電鉄(上田交通)から返還されて復元した5001号を、何を思ったか車体を短縮して足回りを取り払った上で、渋谷駅ハチ公口前で展示した上に、2020(令和2)年にはハチ公つながりで秋田県大館市にある「秋田犬の里」(JR大館駅前)に移設している。
また、姉妹系列に5200系がある。これは、電車としては日本で初めて、外板にステンレス鋼を用いた車両として1958(昭和33)年に登場したもの。基本性能や外観は、5000系(初代)と同一であるが、5000系をより重量が嵩んだ。骨組みは「銅」を使用し、外板にのみ「ステンレス」を用いることで無塗装化によるコスト・メンテナンス削減を図った。
当初は東横線で活躍した後、田園都市線へ転属。その後も、東横線復活、大井町線転属と転属が多かったが、最後は目蒲線で活躍し、1986(昭和61)年までの28年間活躍した。
その後、上田交通にデハ5200形の5201.5202の2両と、部品取り用として中間車両デハ5211が譲渡されるが、7200系譲渡により1993(平成5)年に運用終了。デハ5201は東急車輌に返還、また上田電鉄クハ5251は上田電鉄にて倉庫としての役割も兼ねて保存され、近年は東急時代の姿に復元されてイベント時などに公開されている。
●カラーバリエーションなど
車体が短縮されたとはいえ渋谷に帰ってきた5001号。しかし、渋谷区による保存の熱意は続かなかったようで秋田県大館市へ移設されている。
(撮影:裏辺金好)
熊本電鉄で活躍した車両は、1両が上熊本駅構内で動態保存中。
(写真:北熊本駅/撮影:リン)
長野電鉄で2500系、2600系として活躍した。
(写真:トレインギャラリーNAGANO(保存)/撮影:裏辺金好)
上田交通(現、上田電鉄)で活躍した5000系(系列名は東急時代と同じ)。
(写真:別所線 下之郷駅/撮影:JS3VXW様 禁転載)
5200系は2両が上田交通に譲渡されて活躍。引退後は1両が東急と上田交通(現、上田電鉄)で保存されている。
(写真:別所線 下之郷駅/撮影:JS3VXW様 禁転載)