江戸東京たてもの園〜東京都小金井市〜
江戸東京たてもの園は、都内から失われていく近代建築群を移築保存する屋外展示施設で、東京都小金井市の都立小金井公園内に、1993(平成5)年に従来の武蔵野郷土館を大幅に拡充する形で開館しました。ちなみに、墨田区の東京都江戸東京博物館の分館しての位置づけです。
当初の復元建物は12棟でしたが、現在は30棟にまで増え、農家や商店から財閥三井本家の和風邸宅まで、多種多様な近代建築を堪能することができます。
(解説&撮影:裏辺金好)
○場所
○センターゾーン
旧・光華殿(現・ビジターセンター)/旧所在地:千代田区千代田
1940(昭和15)年築。紀元二千六百年記念式典の会場として皇居外苑に造営したものを、式典終了後の1941(昭和16)年に当地へ移築したもの。江戸東京たてもの園開館後は、その玄関口としても利用されています。
旧・自証院霊屋 【東京都選定歴史的建造物】 /旧所在地:新宿区市ヶ谷富久町 1652(慶安5)年築。 尾張藩主徳川光友の正室千代姫が、母親である自証院(お振りの方/3代将軍徳川家光の側室)を祀ったもので、幕府大棟梁の甲良宗賀による絢爛豪華な建築です。
高橋是清邸/旧所在地:港区赤坂七丁目 1902(明治35)年築。第20代内閣総理大臣、さらに総理退任後も大蔵大臣を務めた高橋是清(これきよ)の邸宅のうち、主屋部分を移築したもの。二・二六事件では、この建物の2階で高橋是清は暗殺されました。
高橋是清邸1階
高橋是清邸2階
2階は高橋是清の書斎や寝室として使用。
1936(昭和11)年の二・二六事件で、高橋是清はここで凶弾に倒れます。
西川家別邸/旧所在地:昭島市中神町二丁目 1922(大正11)年築。北多摩屈指の製糸会社となった西川製糸を創業した西川伊左衛門が接客用兼隠居所として用いた和風邸宅。
西川家別邸(内部)/旧所在地:昭島市中神町二丁目
伊達家の門/旧所在地:港区白金二丁目 旧宇和島藩伊達家が大正時代に東京に建てた屋敷の表門。片番所を設けた大名屋敷としての形式となっており、大正時代の建築ながら、非常に古風な雰囲気となっています。