2008年8月23日〜9月4日 総移動距離8000km!東北・北海道の旅

〇8月31日


 翌朝5時半。天気予報では晴れ…とのことでしたが実際は雲がかかり、撮影するには光量が足りないような雰囲気です。地下鉄がまだ動いていないので、徒歩で札幌駅に向かいます。

 札幌駅前から大通に向かう道は大規模に工事中でしたが、どうやら地下道を作っているようです。大規模な商業スペースなどに活用されていくのでしょう。

〇第69ランナー 函館本線普通(キハ150形) 札幌6:12 → 稲積公園6:26


 初日と同じく稲積公園駅に始発で到着。私と現地の方の3人で撮影していましたが…予想通り光量が全く足りず、「はまなす」も「まりも」もことごとく失敗。「まりも」は予想通り100番台が先頭で、しかもこちらにも500番台が2両増結された8両編成だっただけに非常に悔やまれます。

〇第70ランナー 函館本線普通(731系) 稲積公園7:01 → 稲積公園7:15

〇第71ランナー 函館本線特急「オホーツク1号」(キハ183系) 札幌7:21 → 岩見沢7:49


 稲積公園駅で自分の乗る「オホーツク1号」を撮影し、後続の列車で札幌に戻ります。札幌が始発駅になる関係で入線から発車までに時間があるため、こうして撮影してからでも問題なく追いつけます。
 乗ったと思ったら最初の停車駅の岩見沢でさっさと下車します。

〇第72ランナー 北海道中央バス三笠線 岩見沢ターミナル8:20 → 三笠市民会館8:50

徒歩 三笠市民会館 → クロフォード公園


 今日は鉄道保存施設巡り。まずは三笠鉄道村クロフォード公園からです。ここは元幌内線の三笠駅で、現在はDD51形と貨車3両、現役当時の駅舎と跨線橋が保存されています。そして…。
 何と言ってもこれ。キハ80系の編成での保存です。露天保存と言うことで決して状態が良いとは言えませんが、それでもこの様な形で、しかもキロ80形・キシ80形まで保存されるというのは喜ばしいことです。

 ちなみに、本来のキハ80系の編成はキシ80形を挟むキロ80形とキハ80形の位置が逆で、写真左からキハ82−キロ80−キシ80−キハ80…となるのが正しいそうです。

徒歩 クロフォード公園 → 三笠鉄道村


 さて、クロフォード公園の車両を一通り見終わったものの、まだ9時10分。次のバスまで1時間あり、ここから鉄道記念館まで2.7km。これなら歩いてもバスより早く到着できる上に幌内線の廃線跡も見学できるということで歩いていくことに。

 幌内線跡は廃線から21年経つにもかかわらずつい先日まで列車が走っていたかと思えるような状態でした。幌内に近付くにつれて少々雑草が多いところもありますが、ちょっと手を加えればまだ使えそうな状態でした。

 歩くこと30数分、無事に鉄道記念館に到着。幌内線貨物支線の終点・幌内駅跡に作られた保存施設です。北海道の鉄道はここ幌内から岩見沢・札幌を通って小樽の手宮まで続く線路が官営幌内鉄道によって1880(明治13)年に開業したのが始まりで、これを記念して幌内にこの様な施設が設けられました。

 露天なので保存状態の悪い車両もありますが、貴重な車両も多く保存されており必見です。屋外の展示車両の見学のみなら無料で可能です。

 こちらはS−304号機。室蘭市にある工場内の入換用として最も遅くまで現役だった蒸気機関車です。現在は、週末や祝日に構内にある約400mの線路を走行しています。

 展示室は有料となりますが、展示品はとても見応えがあります。これは踏切の仕組みを説明するためのもので、下にある模型の機関車が踏切にさしかかると奥にある本物の警報機が点滅し音も鳴るというもの。館内に警報機の音が響き渡ります。

 2階には大きなジオラマがあります。SL貨物列車、ディーゼル特急、新幹線、リニアモーターカーの4種類の列車を選んで操作することができ、それぞれ違う速度に設定されています。

〇第73ランナー 三笠市営バス幌内線 鉄道記念館11:16 → 三笠市民会館11:24

〇第74ランナー 北海道中央バス三笠線 三笠市民会館11:50 → 岩見沢ターミナル12:24


 歩いて来たおかげで予定より1本早いバスで三笠鉄道村を後にします。写真は三笠市営バス。マイクロバスを路線バス仕様に改造しています。

 白ナンバー(自家用車)でバスというのは違法のように思えますが、道路運送法第78条の2と同第79条で市町村などの自治体が1つの市町村の区域内の住民の運送を行う場合には国土交通大臣の行う登録を受けていれば問題ないそうです。

〇第75ランナー 函館本線特急「スーパーカムイ24号」(789系) 岩見沢12:56 → 札幌13:20


 岩見沢駅に戻り、「いしかりライナー」で札幌に戻ろうとしたところで視界に1両のタンク車が。行ってみると散水車のタキ42750形でした。ここ岩見沢運転所に常備され、この時期にレールが熱膨張することによる変形を防ぐため水を撒いて回っています。これを撮りに行ったので「いしかりライナー」には乗れませんでしたが、後続の「スーパーカムイ24号」で札幌に2分差で到着できるので問題ありません。

〇第76ランナー 札幌市営地下鉄南北線(5000形) さっぽろ13:33 → 自衛隊前13:47


 今度は地下鉄南北線で自衛隊前駅まで行き、札幌市交通資料館へ。ここは札幌市交通局が行ってきた地下鉄・軌道(路面電車)・路線バス(2004年に撤退)・ロープウェイの事業の歴史を展示する施設です。場所は非常に良いのですが、夏期の週末にしか開館していないという難点があります。今回は日曜に当たるようにスケジュールを組みました。
 入ってまず出迎えるのは懐かしいボンネットバス。ちなみに車内も開放されており、見学が可能です。

 札幌市電開業時の車両である10形。1901(明治34)年に名古屋電車製作所で製作され、名古屋電気鉄道(現在の名鉄)で使用されていた24両を1918(大正7)年に購入したうちの1両。1960(昭和35)年に車籍復帰して以来廃車にはなっていないものの、現在は資料館で屋内展示となっています。

 札幌市電が唯一の導入事例となっている路面気動車。このD1040形はそのシリーズの最終形式です。路面気動車の導入に至った経緯は電化を必要としないまま路線の敷設のみで運転できるという、輸送量が急増していた戦後らしいものだったようです。その後に路線が電化され、D1000形からD1030形はそれぞれ電車化改造がされたものの、このD1040形だけは電車化改造されることなく廃車されました。現在はD1041だけがここに保存されています。

〇第77ランナー 札幌市営地下鉄南北線(3000形) 自衛隊前14:21 → さっぽろ14:36


 写真を撮るだけ撮ったらすぐに引き返します。やって来たのは3000形。4編成が現在は使用されているとのことで、来る時と帰る時に違う車両に乗れてラッキーでした。

〇第78ランナー 函館本線快速「エアポート141号」(721系) 札幌14:41 → 小樽15:18


 さて、今日こうして急いであちこち回っているのは、前日にトンでもない勘違いに気づいたから。と言うのも、本来はこの後行く小樽市総合博物館は道内最終日の9月2日に行く予定でした。ところが、小樽市総合博物館は火曜日は休館日だったのです。綿密に予定を組んでいたはずなのに、危うく凡ミスをするところでした。

 そこで、札幌市交通資料館を見た後は札幌市電の撮影をする予定にしていたところに急遽小樽行きを組み込んだというわけです。

〇第79ランナー 北海道中央バス2系統 小樽駅前15:28 → 総合博物館15:35


 17時までの開館なので、1時間半あれば充分。なんとか3ヶ所の鉄道保存施設のハシゴをすることができました。
 さて、この機関車庫一号は旧手宮駅に設けられていたもので、1908(明治41)年頃に建てられました。1996(平成8)年に左側3線を復元しています。イギリス製レンガ積みで、2001(平成13)年には右2線の建築当時の部分が「旧手宮鉄道施設」の一つとして国の重要文化財に指定されました。

 ここにもキハ80系が3両保存されているのですが、キハ82形はご覧のようにお色直し中でした。車内は引き続き公開されています。

 マニ30 2012。窓の一切無い妻面など特異な外観を持つ現金輸送車マニ30形のラストナンバーです。50系客車をベースに製造された車両で、1両で数十億もの現金を輸送していました。現役時代はその用途ゆえにファンの間では知られていたものの存在が公にされることはありませんでした。2003(平成15)年に現金の鉄道輸送が廃止されたことによりようやく存在が公式に認められました。

 車内の様子も公開されており、その特殊な構造を見ることができます。

 ED75形は現在でもJR東日本・JR貨物で稼働中の機関車ですが、この500番台は1両のみの試作車でした。北海道内の交流電化に対する機関車として設計されましたがいろいろ不具合が多く、量産はED76形500番台に受け継がれました。現在は客車列車の消滅で両形式とも北海道向けの車両は全車廃車となり、電化区間においてもDD51形やDE15形が使用されています。

 なお、ED76形500番台もこの小樽市総合博物館に保存されています。

 キハ56系。キハ58系の北海道バージョンで、割と仕様に差があります。ここにはキロ26形を含む3両が保存され、車内も公開されています。キロ26形のグリーン車用シートは非常に貴重な存在ですので、是非座り心地を体感してみてください。

 見学を終え、バスの時間待ちの間にちょっと小樽駅の方まで歩いたら手宮線の廃線跡に辿り着きました。廃線から22年、普通なら道路に転用されてもおかしくないのですが全て残されるどころか逆にLRTを運転させようと言う話もあるらしく…。

〇第80ランナー 北海道中央バス2系統 総合博物館16:43 → 小樽駅前16:55

〇第81ランナー 函館本線快速「エアポート174号」(721系) 小樽17:04 → 札幌17:36


 何とか、時間内に3ヶ所を回って札幌に戻ることができました。ここから「北斗20号」までの約30分、ささやかな撮影タイムです。とりあえず目玉はこの快速「ニセコライナー」です。1日1往復、しかも今回の旅程ではここと2日朝の2回撮影するのみで乗車ルートには組み込めなかったので外せません。

〇第82ランナー 千歳・室蘭・函館本線特急「北斗20号」(キハ183系) 札幌18:13 → 函館21:48


 今日は「北斗20号」で函館まで乗り通して終わります。指定席を確保していましたが、これが大当たり。車内はほぼ埋まっており、しかもそのほとんど全ての人が五稜郭と函館まで乗車していました。札幌〜函館の流動の大きさを実感しましたが、北海道新幹線が札幌まで延伸されたらどうなるんでしょう。

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