翌朝は目覚ましをかけていた訳でもないのに5時に起床。外を見てみると、名鉄の線路が並走。どうやら定刻に走行しているようです。
名古屋駅で車内販売の弁当やグッズなどが6・7号車のデッキに積み込まれました。公式では販売は6時半頃からですが、既に6号車・7号車の通路とも数人ずつ並び始めていました。私も撮影からの成り行きという感じでしたが列に加わり販売開始を待ちました。
積み込みから20分ほど経った5時40分、販売開始。クリアファイルなどはメーカー在庫で既に払底していたために最初から売り切れでしたが、サボとヘッドマークと弁当、それに購入者特典のカードの4つを無事に手に入れることが出来ました。
6時半に放送が開始されると共に車内販売の営業もアナウンスされました。それとほぼ同時に客が殺到し、一時は6号車のトイレまで列が出来ていました。
そんな方々を横目に先程購入した弁当で朝食。「東海道」との焼き印の押された卵焼きが特徴的でした。
それとほぼ時を同じくして日の出を迎えました。今日は良い天気になりそうな、見事な日の出でした。
快晴で空気も澄み渡っていたため、富士山もご覧の通りハッキリと見ることができました。沿線の方も今日は綺麗だと絶賛するほどの見事な光景。この日以降は曇りや雨などで悪天候となり、結局、「富士・はやぶさ」がこの富士山をバックに走行するのはこれが最後となりました。
熱海駅に到着し、いよいよJR東日本エリアに入っていきます。運転士交代のためにちょっと長めの停車時間だったので、車外に出て最後尾を撮影。
大方の予想通り、陽の出た浜松以降は沿線に数え切れないほどのファンの姿を見ることができました。特に熱海以降は数十メートルおきに誰かいるという感じで、名撮影場所として知られる米神のS字カーブや根府川駅といったポイントには10人ほどが固まっていました。
首都圏に近付くにつれ密度は増していき、横浜を出て間もなくの京浜東北線新子安駅ホームは上写真のような状態。
私がここで撮影した2ヶ月前は5人程度でしたが、最後の好天となるのが予想されたためか大勢詰めかけたようです。
そして多摩川に架かる橋を遠くから望める、通称「六郷土手」。土手のみならず京急のホームにも人が並んでいる様子が確認できました。
9時58分、定刻通りに東京駅10番線に到着。長いような短いような17時間でした。
到着後すぐに機関車が切り離され、品川に引き上げる準備が始められました。
もう少し撮影していてもいいのですが、この人の多さならまともに撮影するのは困難だろうと思い、次の予定でもある東北新幹線のホームに向かいました。
「この人の多さ」とはこれ。「富士」を下車してからではとても近づけそうにありません。むしろ、新幹線ホームの方がのんびり撮影出来るのでこちらの方が好きな場所でした。
○○第29ランナー 東北新幹線「Maxやまびこ207号」(E4系+E4系) 東京10:20 → 大宮10:45
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ここからは新幹線で大宮へ。と言うのも、先日抽選に当たり参加した「ブルートレインけん引機関車撮影会と鉄道博物館の旅」の、後半の鉄博の部分をここに当てはめたもので、元々どこかで貨物列車の撮影でもと考えていた予定の隙間を埋める形になりました。
東京との往復で新幹線の自由席を使用できることになっているために堂々と乗車できます。東北新幹線系統の車両の撮影もまだでしたしちょうど良い感じになりました。
○第30ランナー 埼玉新都市交通(1050系) 大宮11:00 → 鉄道博物館(大成)11:02
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ニューシャトルを乗り継いで到着。平日だというのに鉄道博物館駅での下車客が多く、まだまだ人気が衰えてはいないことを実感します。
1年前の訪問時と大きく変わったのがここ。それまではヒストリーゾーンの485系などの車内で飲食が可能でしたが、この183・189系4両が「ランチトレイン」として設置されており、代わりにヒストリーゾーンの車両内での飲食が禁止となりました。
冷暖房完備、すぐ側に「駅弁屋」もありゆっくり休憩するには最適の環境です。ただ、先頭側への立入が制限されていたのは残念。わざわざ特製のヘッドマークを装着しているのなら見せて欲しいものです。
また、展示されているED75形に「あけぼの」と「エルム」、EF58形に「はやぶさ」のヘッドマークがそれぞれ装着されていました。「はやぶさ」は恐らく廃止を記念してのものでしょう。
12時からはヒストリーゾーン中央の転車台の回転実演があるということで、恐らくベストポジションと言える位置を確保。館内にC57形の懐かしい汽笛が豪快に響き渡りました。…そりゃ小さい子は泣き出してもしょうがないですね。
少々時間は前後しますが、1階の食堂が11時半頃からそこそこ混雑していたため、早めの昼食を摂ることに。
注文したのは「ハチクマライス」という当時の食堂車従業員の賄い飯だったもので、丼に盛られたご飯の上に千切りキャベツ、コーン、鶏の唐揚げ、温泉卵、カレーが乗っており、全てをかき混ぜて手早く食べることが出来るよう工夫されたものだったようです。
期間限定メニューですがお値段の割に美味でした。お薦めの一品です。
館内を一通り見終わり、ラーニングゾーン屋上の展望テラスへ。ここから東北新幹線・ニューシャトル・高崎線・埼京線(川越線)を一望できます。特に東北新幹線は目線の高さがほぼ一緒になり、ガラス越しながらも良く見えます。
また、新幹線の通過予定時刻も編成図と共に紹介されているので見学しやすい環境が整っています。
東北新幹線の高架に沿うニューシャトルも撮影可能。先程乗車したものの撮影を忘れていた1050系がやって来ました。
この他、高崎線は普通電車や貨物列車がひっきりなしに往来し、すぐ真下にある大宮車両所の試運転線では埼京線用205系が試運転として数往復しており、始終賑やかでした。
○第31ランナー 埼玉新都市交通(1050系) 鉄道博物館(大成)14:54 → 大宮14:57
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次の予定までは随分時間が余っていましたが、このまま鉄博に残って展示車両の中でボーッとしていたら眠ってしまいそうだったのでひとまず大宮へ。
そして新幹線ホームへ上がり色々と撮影。
こちらは「なすの274号」の200系。昨年で0系は引退してしまいましたが、ほぼ似た顔つきの200系が今でもこうして使用されているのは嬉しいものです。ただ、新車好きのJR東日本のことですからE5系導入でかなり数を減らしそうな気もします。
実は割と撮りたかったE4系+400系の「Maxやまびこ116号・つばさ116号」。2階建ての巨大な車両の後ろにミニ新幹線の車両というミスマッチさが何とも言えません。
「つばさ121号・Maxやまびこ121号」として、E3系2000番台も撮影することが出来ました。来ると分かっていればホームを移動して正面から撮影したかった…。
さらには眼下に微かに見える在来線ホームを、EF64形牽引の京浜東北線用E233系配給輸送列車が通過。こちらも完全にノーマーク。一応全形式を撮影はしたものの、何だか悔いの残る結果になってしまいました。
○第32ランナー 東北新幹線「Maxやまびこ118号・つばさ118号」(E4系+400系)
大宮16:31 → 東京16:56
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撮影を適度に切り上げ、東京に戻ります。
そしてそのまま「富士・はやぶさ」の撮影へ。ちょうど入線時刻には20番線に列車が停車しているので入線風景を撮影することは出来ませんが、機回し程度なら余裕で撮影が可能です。
思えば3年前までは「富士・はやぶさ」の品川から東京までの回送はその日「出雲」の牽引に当たるEF65形が使用されていました。それが「出雲」が消え「銀河」が消え、ついには「富士・はやぶさ」も…などといろいろと考えてしまいます。
EF66形が機回しを終え連結される先頭側はと言うと、今朝と変わらぬ人だかり。昨年「銀河」が廃止され、いよいよ「富士・はやぶさ」も残り1年だと誰もが思った頃から人がいたにはいたのですが、やはり残り2日となれば賑わうのも仕方ないことでしょう。
無事に連結完了。新幹線ホームにも人が並ぶまでになっており、撮影するのは容易ではありませんでした。
適度なところで10番線に移動してみましたが、先頭・最後尾ともとても近づけるような状態ではなく、撮影は早々に断念。
…と思ったら妙なところに人が集まっているので行ってみたところ、鉄道アイドルの木村裕子さんが来ていました。マネージャーらしき人以外はテレビクルーなどは見受けられず、どうやらゲリラ的に来たようでした。で、当然の事ながら撮影会状態になっており、私もちゃっかり加わらせてもらいました。
さらに、車内で購入したヘッドマークの包みを破って木村さんに手渡し、写真を撮らせてもらう始末。
いろいろ権利関係があるので掲載は控えますが、思わぬ収穫となりました。
○第33ランナー 京浜東北線各駅停車(209系)東京18:17 → 上野18:25
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定刻に発車した「富士・はやぶさ」を見送り一息ついた後上野へ移動。
「ホームライナー鴻巣3号」を撮影。「能登」の間合い運用として489系が使用される、割と有名な列車ですが撮影していたのは私の他には1人だけ。北陸新幹線が金沢まで開通すれば「能登」はほぼ確実に廃止されると思うので、この「ホームライナー鴻巣3号」も他形式に置き換えられるのは当然。ということで、撮影できる時にゆっくりしっかり撮影しておくのがベストです。
地平ホームに移動し「北斗星」も撮影。こちらは好調な利用が保たれておりすぐの廃止は無さそうですが、北海道新幹線が具体化していることや車両自体の寿命を考えると意外と先は長くなさそうでもあります。
さて、この日の牽引機は88号機。「カシオペア」専用塗装機や側面に大きなレタリングの施された95号機など、少ない回数の割にイレギュラーな機関車も記録は出来ているのですが、結局お召し指定機の81号機には会えませんでした。
○第34ランナー 山手線各駅停車(E231系)上野18:55 → 秋葉原18:59
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○第35ランナー 総武線各駅停車(E231系)秋葉原22:23 → どこか
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デジカメのバッテリーが限界を迎えたこともあり、秋葉原の店を少し回った後銭湯に向かいゆっくり休憩。バイト上がりの彼女と合流してこの日は終了。一応の予定では13日は1日フリーにしています。
13日は特に撮影の予定は無かったものの、ちょっと無理を言って2人で揃って最終「富士・はやぶさ」の見送りをしに東京駅の新幹線ホームに行ってみました。ちょうど機回しを行っている最中に到着したので早速撮影。
最後尾付近はと言うとご覧の有様。昨年3月に大阪駅で「銀河」を見送った時も大体こんな感じでした。端から彼女には「列車ではなく人を見に行くようなもの」と言ってかかりましたが全くその通りの状況でした。
発車直前。新幹線ホームも人で溢れかえり、まともな撮影は不可能な状態。それでも手ブレは覚悟の上でシャッターを切り続け、発車していくまできっちり見届けることが出来ました。
…で、その間彼女はと言うと列から大きく外れたところでワンセグを使ってニュースの生放送で発車の様子を見ていました。思いっきり放り出して撮影に興じていましたが、私のことを理解してくれているのが本当にありがたいです。