583系特急「ふるさとゴロンと号」で行くメモリアルシップ「八甲田丸」見学記


〇撮影&執筆:daikiti

○プロローグ

 今年も残す所、2ヶ月になったころ、毎度の事のようにJR各社から年末年始の臨時列車増発のプレスリリースが発信されるので、例外なく眺めていたら、今年も583系による「ふるさとゴロンと号」が運転される事になり、いつもながら『いいなぁ、乗りたいなぁ』って思いながら森田健作のように明日の方向を見て(ちょっと表現が古過ぎるかな)思いふけっておりました。この時期は、お得意の土日切符や3連休パスなどはつかえず、いわゆる割引無しの正規料金で乗車しないといけないので、軍資金のすくない身にとってみれば高値の切符となって毎年あきらめていました。

 そんなおり、高速道路1000円に対抗すべく、JR東日本から「ふるさと帰省応援切符」なる企画切符が発表され、青森まで乗車券が約4割引で乗れるという企画切符が発売される事になりこれは、乗るしか無いか!と言う事で電卓を叩き、補正予算要求のための作戦を練る事に・・・。

 そこには、年末妻が仕事の時に大掃除をするとか、いわゆるお手伝いをするからと言うあまりにも説得力の欠ける理由を沢山集めると同時に、ふるさとゴロンと号の切符を先行してK観光に委託して予約をとって貰う事にしました。

 そして、発売1ヶ月前の11月29日にK観光から連絡があり、下段と中段2席分確保できましたと連絡があり、ひとまずガッツポーズ!!しかし、ここから修羅場の始まりでした。

 自分の勘違いと、K観光の案内不足(販売員の理解不足?)で小学生の息子と添い寝で下段にのれば、他のお客さんが一人分多く乗れるなって考えて中段をそのときキャンセルしてしまったのです。いざ、切符発券となった時に、ゴロンとシートは指定席扱いと言う事がお互いわかり、お先真っ暗、、、その支店の支店長まで出て来てK観光は平謝り・・・。で、毎日、キャンセル待ちを確認してもらう事にして連絡を待つ事にしました。

 待つ事2週間・・・。K観光より連絡があり、号車はわかれてしまうのですが、1席分確保出来ました!と言う事で、とりあえず人数分確保する事ができました。ま、当日車掌さんに事情を説明して添い寝する旨伝えればいいかなと思いゴロンとシートの切符を手にする事ができました。後は、天気が荒れない事だけを祈るのみです。

 いよいよ、12月29日。乗車する日を迎えました。この日は奥羽本線で信号トラブル等で遅延情報がいくつか出ていましたが、強風による遅延情報はなく出発する時間まで家の掃除を子供とあくせくとしておりました。そんな感じでいざ出発の時を迎えました。
(旅行者:daikiti)

12月29日


○18:40分 自宅出発

 いつもなら、相模原発なのですが、今回はフリー切符ではないので京王線南大沢駅が出発の駅となります。


○第1ランナー 京王相模原線普通 南大沢18:59→新宿19:44


○第2ランナー 山手線(E233系) 新宿19:55→上野20:20




 なんのトラブルも無く無事に上野到着。列車運休のテロップも流れていない。とりあえずホット一息。時間的に少し余裕があるので、ホームライナーを写真に収めたあと、『そうだ!座席変更出来るかみどりの窓口で確認してみるか!』と言う事で、駅構内の窓口に行ってみた所、残数2でそのうちの1枚が同じ号車って事で座席変更成功!

 しかも、驚いた事に、向い側の中段というラッキーな出だし!(あ〜これで、運を使い果たしたから宝くじはダメだな)思ってもみない出来事に意気揚々とホームへ向かうと、これまた驚愕の事態!!!(大げさかな)


 出発するホームは人人人。旅行する意外のギャラリーが多い事多い事。



 これには、息子もビックリして、こんなに人が居たらのれないよぉって心配します。


 確かにこれでは、乗る前に記念撮影ができないなぁ・・・と思いながらも、列車だけはなんとか撮影出来たのでいざ乗り込みます。




 いよいよ583系のゴロンとシートワクワク体験の始まりです。

○第3ランナー 特急「ふるさとゴロンと号」(583系) 上野20:45→青森9:35


 まずは、下段の席に荷物を入れて、車内が暑かったので上着を脱いで下段におさまり、もう一席の中段に上着をおきます。程なく出発の時刻を迎え、沢山のギャラリーの人に見送られて列車はゆっくりと走り始めました。


 それにしても、わかってはいたつもりでしたが、列車の中に3段寝台と言うのは本当に天井が低い。。。低いと言う表現がいいのかなんとも押し込められ感が強く、起き上がったり、動いたりした時に頭をゴンゴンぶつけてしまいます。他の乗客も例外なくあちこちで『ゴン!いてっ』と言うのを耳にしました。でも、そんな低さでも、息子の身長では関係なく息子は快適モードです。

 少し落ち着いて、案の定息子は中段で寝たいと言い始めました。絶対、落ちるからダメと間髪入れずに返答はするものの、息子の興味は上のほうのベットに向けられます。仕方が無いので、寝るのはダメだけど、いくだけなら行ってみなって事でとりあえずいかせて見る事に。

 天井の低い中段でも息子の身長だとあまり苦にならないのと、ベットの構造上、車体側面側が斜めになっていて寄っかかるとちょうど、固めのソファーのように座れてこっちの方が楽〜!!!って感じでだんだんテンションが上がってきました。
 また、申し訳程度に着いている窓を開けて外をみるやいなや、『ちっちゃっ!これじゃ外見えないね』といよいよ探検モードに入ってきたようです。





 さて、客層ですが、意外に家族連れや、非鉄系の人が多く案外人気があるのだなと思いました。空席も大宮出発した時点で、同じ車両に1つだけでしたから企画列車としては成功ですね。これだけこむならもう1日走ってもいいような気がしますし、あけぼのゴロンとシートも増やして波動需要に柔軟に答えれれるといいですね。。。

 さて、話を元に戻すと、息子は興奮冷め止まぬかんじで、ほぼ30分おきにトイレと称し探検に出かけていっているようす。聞けば『だって止まる音が、うるさくて眠れないんだもん』だとか。。。確かに、色々な所で運転停車しておりその度にブレーキシューの『キィィィィ』と言う音が聞こえてきますが、既にウトウトモードになった自分にはあまり気にならないような。。。それに、臨時の筋なので、スピードも控えめで乗客の皆さん早く寝て下さいねって行っているようにゆっくり走行しています。


 でも思った。説明が遅れましたが自分は中段に寝ている。息子は下段。もしかして、下段の方がうるさいのかな???とも思った。それでも、11時を過ぎて、越後湯沢に運転停車する事には流石に息子も寝てしまったようで、安心して熟睡モードに入る事ができました。

 さて、そんな感じで睡眠に入った物の、なんだか、いいリズムで音が聞こえてくる。これは、明らかに高速走行している音。かすかに聞こえるモーター音と『ガタガタっゴトっ ガタガタっゴトっ』とスタッカートを聞かせて奏でるジョイント音。これが100キロ以下の速度だと『ガタンガタン ゴトン』と音と音に間が空くのだが、気がついたらこれは相当飛ばしている。

 久しぶりのMT54電動機の120キロの音と思われる高速走行を暫く堪能できました。まさに、寝静まった頃に距離を稼ぐという意図的なスジの組み方ですね。


程なくして余目でまた運転停車。


車内は寝静まっている様子です。


小さな窓から見る限りでは一面の雪ですが風はあまり無い様子。先はまだ長いのでまた眠る事に。


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