第十一話 スーパーロボット大戦α外伝

 正月もすぎた・・・。自動車免許取得から一年半が過ぎたわけだ。

 大学での面倒な役職からも解放されることになった。いやー、実に自由だ。学生生活ってなんて楽しいんだろう・・・。正月が過ぎたころとなれば、大学生は期末試験の後、二ヶ月以上あるであろう春休みに突入する。私は春休みを満喫していた。ゲームをやりまくったり、ホームページをつくってみたり、さらにはバイトもはじめた。このバイト、暇つぶしと小遣い稼ぎくらいにしか考えておらず、春休みが終わったらなんだかんだ言ってやめるつもりだったが、給与明細をうけとったとき、額面がかなり魅力的だったので、やめるつもりが益々のめりこむこむことになってしまい、しまいにはバイトの仲間や社員の人とかなり仲良くなってしまったので、バイトにいくのが楽しいという状態になり、正月出勤もいたまずというかんじになってしまった。


 今思うとバイトは気楽でいいといった感じですな。


 話が脱線してしまった。


 ちょうどこのころ「スーパーロボット大戦α外伝」が発売した、最初は中古がでるようになれば買えばいいやと思っていたが、初給料の額が予想以上だったので、発売日に新品を買いにいくかということになった。前作にあたるαが面白かったというのもあった。


 発売日当日・・・。
 前日から降り続いていた雨も小雨になった。傘をさして自転車で買いにいくのか・・・。時間かかりそうだなあ・・・。


 その日もバイトがあった(3時からだが、実際は2時半くらいから移動しなくてはならない)ので、プレー時間を確保するためにも店の開店時間(10時)くらいには店にいきたいと思っていた。その時、目線の先には・・・!


「原付でいくしかねえ・・・。」 
 ピーンときた。原付ならば自転車よりはるかに早い。自転車だと疲れるので帰るのに時間がかかってしまう。路面は濡れて少し雨が降っているがカッパをきていけば大丈夫だろう。買ったソフトもシート下にいれておけば濡れない。


 ということで私は原付の鍵を手にし、キックによってエンジンを起動させゲームショップへむかった。それんしいても、ゲームショップが家から十キロ以上いかないとはどういうことなだろう・・・。以前は九キロ地点にもあったのだが、いつの間にかなくなってしまった・・・。


 今の私なら60キロで走っていくところだが、慣れていないのと、路面が濡れていたので30キロ走行を心がけた。交通量が多いと嫌だなー(混んでいるからというより、周りの車にあわせて運転したりしなければならないから)と思っていたが道はすいていた。


 開店から十数分後に店に到着。開店前から並ぶというのは恥ずかしいので、時間をすこしずらしておいたのだ。予約はしていなかったが、買うことができた。店にはほとんどお客さんがいなかったように思う。まあ、平日の昼間からフラフラしているのは大学生くらいなものか・・・。


 私は早速家に帰ってプレー。αと違ってなんか難しい・・・。さらに悲惨なことに友人が一緒にメシくいにいくかというので行くハメになってしまった・・・。まあ、少し難しいということでαのときのように、どんどんクリアしていくのではなく、腰を据えてやる方向に転換したので、構わないのだが・・・。


 ある意味、今回の原付乗車は今までのバイクに対するフラストレーションの一つの到達点だったと思う。早くプレーしたいという気持ちもあったのは確かだが、原付に乗るきっかけが欲しかったのかもしれない。


 ゲームショップへの道のりは距離こそあるが基本的に一本道で右折の回数も一回や二回くらいしかない(右折は左側を走る原付が、右側に移動しないといけないので非常に嫌だった。道がこんでいると右側に移動しにくいので道が混んでいないか心配したのだ)。練習としては最適だった。


 これから三ヶ月、原付に乗ることはなくなる。乗るきっかけが掴めないでいたからだ。


 それから三ヵ月後、原付ライダーとして走り出すことになる・・・。今思えば、スパボα外伝を買いにいったのは、原付に自分の意志でのるようになる初めの一歩だったのだろう・・・。


棒