9.ロンドン塔と旧王立取引所周辺

(前回はここをクリック)
 さてロンドン3日目。今回はロンドン中心部の名所旧跡をがっつりと回っていきます。


 まずは地下鉄モニュメント駅で下車。駅前にでると、駅名の由来となった大きな記念碑(モニュメント)が見えてきます。これは、1666年に発生したロンドン大火を記念して、最初に焼け落ちた教会の跡地に1677年に建てられました。3日間に渡って燃え続けた火事は、シティと呼ばれる地域の3分の2を焼き尽くし、現在のロンドンの町並みは、この大火後に復興して形成されたものです。


 これにより民家や教会が木造から石造りへと切り替わっていったそうです。


 とある教会。何でも珍しいので写真を撮ってしまいます。

 続いて、このまま南に歩いてロンドン橋を渡ります。橋からはノルマンディー上陸作戦で活躍したイギリス海軍の巡洋艦「ベルファスト号」が係留されています。

 迫力ある主砲。内部の見学もしたかったのですが、既に3日目の開始時点で、かなりギチギチのスケジュールになる予定なので、断念します。

 そして橋を渡り終え、右手に曲がって、サザーク大聖堂を外から眺めます。

 サザーク大聖堂は正式名称でセント・セーィア・アンド・セント・メアリ・オヴェリ教会といい、中央の塔は14〜15世紀に建てられた、ロンドン随一の古建築です。中については翌日に見に行きましたので、改めてご紹介します。


 そして来た道を少し戻って、ロンドンを東へ。昨日撮り鉄を楽しんだロンドン・ブリッジ駅を撮影。

 なぜかホラーハウスがテナントとして入居しているようです。

 また近くの細長い建物は、どうやら第2次世界大戦を扱ったテーマパーク(博物館?)のようです。やはり、既にこの段階で先々の予定を考えると時間が足りないので見学は省略。

 そして、これまでと一転して現代的なビルの間を通り・・・。

 ノーマン・フォスターが設計し2002年に完成した、グレーター・ロンドン庁のシティー・ホールを眺めます。グレーター・ロンドンは、いわば東京都庁のようなものでしょうか(違っていたらごめんなさい)。背後にはタワー・ブリッジが見えますね。
 それにしても、非常に面白い形状ですね。

 タワー・ブリッジ。同行している味野源次さんが約10年前に撮影し、イギリス紀行として弊サイトに掲載している写真を見ながら、是非一度見たかったのですが、ついに来ました!

 自動車が次々と行き交っていきます。おや、なにやらクラシカルな車も写っているではありませんか。

 ここで必殺、お馬鹿ポーズを味野さんとセットでGO! 塔を表現してみました。・・・それがどうした。なお、ごらんのようにタワーブリッジの高さはかなりのもので、上ることも出来るようですが、この曇り空では微妙な景色。先を急ぐことにしました。

 そしてタワーブリッジを渡ると有名なロンドン塔が現れます。塔といいますが、実際には城塞。11世紀、イングランドを支配したウィリアム征服王が、外敵から守るために建造させたもの。宮殿として使われましたが、後に監獄としても使われて多くの政治犯などが処刑されました。

 たとえば16世紀の王であるヘンリー8世は、2番目の妻アン・ブーリン王妃が、男の子の世継ぎを産めなかったことから、ロンドン塔に送って処刑にしてしまいます。

 いかにもヨーロッパの城砦といった感じ。この重厚さはたまらんです。

 戦後は一般公開されるようになり、世界最大のダイヤモンド「偉大なアフリカの星」を展示するなど博物館的な場所に。やはり入ってみたい気がするのですが、この後の予定を考えるとカットせざるを得ません。

 ロンドン塔周辺の風景から。これは第1次世界大戦の海軍を称えた記念碑のよう。

 その背後には、なかなか立派な建物が建っているのですが、用途がわかりません。秩父路号さんに聞いても「?」だとか。私なんかは感動しちゃうような建築でも、ここでは数ある建築物の1つにしか過ぎないのかもしれませんね。

 オール・ハローズ・バイ・ザ・タワー教会(All Hallows by the Tower Church)。その名前の通りロンドン塔向かい側にあり、1300年以上前からここにあるのだとか。

 そして少々場所を変えまして、レドンホール・マーケットに到着。いかにも古きよき時代のヨーロッパの商店街って感じですね。アーケードや照明に趣があります。雨漏りして黒ずんでいて、重々しい日本の商店街のアーケードとは大違いです。
 ちなみに歴史はなんとローマ時代にまでさかのぼり、映画「ハリー・ポッター」にも登場したとか。

 そして、このレドン・ホール・マーケットを出たところにある、世界最大の保険会社「ロイズ保険」のビルを見ます。リチャード・ロジャースの手による奇抜な建築が目を引きますね。味野さんの10年前の旅行記でも触れられていたように、浦沢直樹さんの漫画「MASTERキートン」でロイズ保険が登場しますので、ある意味で聖地巡礼(笑)。

 その向かい側に建つ、聖アンドリュー・アンダーシャフト教会。背後にはシティ・ホールと同じくノーマン・フォスターの手による「スイス・リ・ビルディング」(通称:ガーキン)が建っています。

 この辺りはシティと呼ばれるエリアで、ロンドンの金融街。

 ロイズ証券。

 ザ・ギブソン・ホール。

 そして一際立派な建築が見えてきました。なにやらブランドのものショップやレストランが入っていますが・・・。

 表に回ってみると、この通り。旧王立取引所です。元々はシティの商人であるサー・トマス・グレシャムが1566年に資材を投じて取引所を作ったのが始まりで、1571年にエリザベス1世の勅許によって王立取引所となりました。現在の建物は、2代目の建物が1838年に焼失してから再建されたものです。

 そして正面に建つ銅像は、ワールテローの戦いでナポレオン軍を破ったウェリントン将軍。

 こちらは世界初の中央銀行である「イングランド銀行」。1694年に株式会社として発足しています。
 現在の建物は1939年に建てられたものですが、正面の装飾は1734年にサー・ジョン・ソーンの設計で傑作と称えられた、新古典主義の豪華なものが残されています。そうやって見ると、確かに正面と背後で建物の雰囲気が全然違いますね。ちなみにイングランド銀行博物館が併設されており、見学も可能です。・・・時間の都合でやはりカットですが。

 旧王立取引所との組み合わせ。

 なんだか知りませんが、これも凄い。

 マンション・ハウス。1752年に出来た、シティ市長の公邸です。

 いやはや、シティ中心部には圧倒されました。ものすごく圧倒される金融街です。

 さて、いよいよセント・ポール大聖堂に向けて歩き出します。今回は、途中にあったThe Guid Church of St Mary Aldermary という教会をご紹介して終了とします。次回もご期待ください。