(33)ローマのカラカラ浴場


 いよいよイタリア旅行も最終日。観光する時間は昼前までしかありませんので、あまり多くは見られませんが、まずは宿を出まして、ローマ・テルミニ駅前の路面電車を撮影。

 続いてローマ地下鉄B線に乗車してチルコ・マッシモ駅で下車。駅名は、こちらのチルコ・マッシモという、古代ローマの大競技場跡に由来します。なんと、10万人以上収容できたとか!ちなみに、右手に見える建物は、既にご紹介しましたパラティーノの丘。古代ローマの高級住宅街ですね。

 発掘調査が続いているような雰囲気でした(もしかすると保存工事?)。この辺りはフォロ・ロマーノやコロッセオをはじめ、古代ローマの様々な公共施設が立ち並ぶ中心部であったことがよくわかります。

 そんな古代ローマの遺跡の脇を、最新型のLRTが通過していきます。

 そこから大通りを南下すると、このような巨大建造物が見えてきます。古代ローマの公衆浴場である「カラカラ浴場」です。これはぜひ見ておきたかったもの。旅行中、カラカラ浴場の話題を何度か出しましたが、その都度、味野さんや秩父路号所員に「所長は、カラカラカラカラ何を言っているんだ?」的なオーラが漂っていたので、ここで一発逆転、その素晴らしさを見せ付ける、俺のターンが回ってきましたよ。

 ここは212年から216年にかけて、カラカラ帝の時代に建造されたもの。造営往時の全景はこのような感じで・・・。

 内部はこのような、一大テーマパークのような温泉施設だったのです。

 もちろん今では屋根も崩落し、温泉としての面影はあまり残っていませんが・・・。

 なんと、当時のモザイクタイルが至るところに残っているのです!

 よく今に至るまで、ここまで姿をとどめていたもの。

 見てください、この美しさを。

 屋根が無くなっているとは言え、巨大な建造物です。では、写真中央の扉から奥へ。

 こちらはモザイクタイルが、かなり広域に残っています。

 往時の雰囲気と比較できればさらに楽しいのでしょうが・・・。

 こちらは写真左手に壁画も残っているようです。

 まさに古代遺跡という感じ。

 こちらもモザイクタイルが多数残存。

 非常に技巧に凝った形状ですね。

 写真奥に進みますが、建物はここまでで、来た方向に別のルートから折り返すような感じになります。

 当時のモザイク画の一部が置かれていました。

 神話を描いたものでしょうか。

 いやはや、広い!

 そして大きい・・・。

 ちなみに昔は、このような風景だったようです。

 現代でも、こんな施設なかなか造れませんよね。

 たぶん、先ほどの復元図と同じ方向のはず・・・。

 いやはや、ただただ感動いたしました。

 これは何でしょうか?

 こうしてカラカラ浴場の散策を終えました。

 さて、徒歩でローマ・テルミニ駅に戻ることにしますが、コロッセオの南側を経由するルートで。途中、古代ローマ帝国時代の城門であるメトロニア門を見ます。あとでもう一度同じ文章を書くことになりますが、これらの城門や城壁は、271〜275年にアウレリアヌス帝が、異民族からの侵攻を防ぐため、ローマ中心部約5km四方を、星型に取り囲むように建てたものです。

 コロッセオもこれで見納め。

 次に見る機会は、いつになることでしょうか。それにしても、2000年前の建造物や文化財を、至るところで次々と見ることになるという、イタリアは凄まじい国でした。正直、行く前まではロンドンやパリの華やかな街並みに比べて、イタリアは少々地味だなあ・・・なんて思っていた私は非常に甘かったです。


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