3.ダマスカス(1)

 今度はシリアの首都、ダマスカス(ダマスクス)。
 シリア南西部にあるこの都市は、「旧約聖書」の時代、アダムとイヴが天国を追われて、ダマスカスの北にあるカシオン山に降り立ったと言われ、さらにアダムの息子カインが弟のアベルを殺した(他に人はいないのだから、これは人類初の殺人事件らしい)という、まあ長い歴史を持つ都市です。・・・旧約聖書の内容の真偽はさておきまして。

 え、何で人類初の殺人事件かですって?
 それは、他に人間はアダムとイヴしかいないでしょ。
 ちなみに1枚目の写真に映っている山が、カシオン山だそうです。

 さて、ダマスカスは紀元前3000年頃からは、地中海交易の中心として栄え、一方で多くの勢力がこの地を獲得しようと抗争しました。そして、7世紀にはウマイヤ朝イスラム帝国の首都として整備され、大発展を遂げます。

 キリスト教の聖堂にかわって、モスクが整備され、イスラム文化圏の政治経済の中心ともなり、さらに世界最先端の学問と医療も充実。

 一方で、ウマイヤ朝の崩壊や、十字軍、モンゴル帝国の襲来と多くの戦渦に引き続き巻き込まれ、それを象徴するかのごとく、旧市街はなんと1世紀にローマが建造した城壁で守られています(その雰囲気を彷彿とさせるのが写真3枚目)。

 そしてその城壁に囲まれた旧市街は現在、世界遺産として登録されています。宗教都市として、モスクのみならず、現在も、この地で回心した聖パウロゆかりの聖堂など、キリスト教徒に関連する施設も見られ、さらにローマ時代の凱旋門、アイユーブ朝の王・サラディンの墓廟、オスマン=トルコ帝国の宮殿など、この地には歴史がギュッとつまっています。



国立博物館
ここには、メソポタミア文明からの歴史の遺物が展示。まさにシリア、中東のなが〜い歴史を見ることが出来る場所です。


棒
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