クラス333
British Rail Class 333
ノーザン・レイル(NT)所属のクラス333。2008年から現行のマルーンと紺色のツートンカラーの塗装が施されている。
(撮影:サルテア駅, Saltaire Station)
●基本データ
デビュー年 | 2000年 |
最高速度 | 160km/h |
製造会社 | シーメンス(Siemens)、CAF |
運行会社 | ノーザン・レイル(Northern Rail, NT) |
運行区間 | リーズ近郊電化路線 ●リーズ(Leeds)〜イルクリー(Ilkley) ●ブラッドフォード・フォースター・スクエア(Bradford Forster Square)〜イルクリー ●リーズ〜ブラッドフォード・フォースター・スクエア ●リース〜スキプトン(Skipton) |
編成詳細 |
クラス333 3連x16本製造 |
●イングランド北部の新型電車
導入背景
リーズ近郊のワーフデール線(Wharfedale Line)とエアデール線(Airedale Line)は1995年に交流25kVの電化が完了したものの、最初に導入された電車はロンドン近郊から転属したおさがりのクラス308だった。電化当初はクラス323を導入予定だったが国鉄が民営化を控えている時期とも重なり予算が降りず旧型電車がしばらく現役だった。
国鉄が1997年に民営化され、同路線の運行はアリーヴァ・トレインズ・ノーザン社(Arriva Trains Northern)に移る。2000年近くになるとクラス308は車齢40年を控えており信頼性も低迷していたことから置き換え用の新型車両製造の競争入札が行われた。契約はシーメンスとCAFの共同プロジェクトに授与され、ロンドン・ヒースロー国際空港のアクセス特急「ヒースロー・エクスプレス」用に製造されたクラス332をベースに車両が製造された。クラス333と呼称され、当初は3連x16本が導入。2000年から運行開始し、旧型車両を置き換えた。
現在の運用
利用客の増加に対応するため、2003年に16両の中間付随車が追加製造。全編成に一両ずつ組み込まれ4連に延長された。この中間車の製造はウェスト・ヨークシャー地区交通局(West Yorkshire Passenger Transport Executive)とSRA(Strategic Rail Authority, イギリス政府の鉄道業界管理機関)が負担していたが2007年には予算不足のため中間車の維持費が降りず3両編成へ戻すことも検討されていたが、サウス・ヨークシャー地区交通局(South Yorkshire Passenger Transport Executive)が代わりに出資することで現在でも4両編成で運行している。
2004年にはノーザン・レイル(Northern Rail)に運行会社が代わり、同じ線区で運用されている。2008年からは新塗装が展開され、マルーンと紺色のツートンカラーに更新された。2016年4月からは再び運行会社が代わるが運行の変更はないと思われる。
クラス333の仕様
4両編成で「Mc-T-T-Mc」という構成だが上記の通り3連として製造された。車内は高密度輸送を意識した3+2列配置で普通車のみ。160km/hまで出せるが営業路線の最高速度は145km/h。加速性能が優れており、最高加速は3.2km/h/s。三相誘導式の交流モーターとIGBT素子VVVFインバーター制御を採用。2015年には室内の無料Wi-fiが新設された。
(解説・撮影:秩父路号、2016年2月更新)
●ギャラリー
車内の様子。3+2列配置となっている。
イングランド北部では比較的少ない電化路線を運行する。
(撮影:サルテア駅、Saltaire Station)
アリーヴァ・トレインズ・ノーザン運行時代のクラス333。赤色をベースにNの文字が入れられたウェスト・ヨークシャー地区交通局の「メトロ」塗装。
(撮影:リーズ駅, Leeds Station)
製造編成数は16本と比較的少ない。
(撮影:ブラッドフォード・フォースター・スクエア駅、Bradford Forster Square)
●参考文献・ウェブページ
・「Traction Recognition, Third Edition」 (Ian Allan Publishing) ISBN 978-0-7110-3792-2・Wikipedia: British Rail Class 333
・Siemens: Electric Multiple Unit Class 333, UK