500系新幹線
東海道区間での活躍も見納めとなった。近未来的なデザインは今でも人気なのだが・・・。
(写真:のぞみ 米原駅/撮影:裏辺金好)
●基本データ
デビュー年:1996(平成8)年保有会社:JR西日本
最高速度:285km/h (「のぞみ」運用時代は300km/h)
使用列車:こだま
元使用列車:のぞみ、ひかり
運行区間:山陽新幹線
元運行区間:東海道新幹線
●日本最速300km/hでの営業運転を実現した記念すべき車両
500系は、バス/飛行機の攻勢で、山陽新幹線の不振にあえぐJR西日本の切り札として、1996(平成8)年に登場した。営業用の最高速度は300km/hで、いよいよ200km/h台の突破に成功。1997(平成9)年3月より「のぞみ」として営業運転を開始。その塗色、そして空気抵抗を減らすための細長い15mもの先頭部が、大人気となった。500系は、いかに空気抵抗を減らし騒音を少なくして300km/hを実現するか、そのために登場した車両と言って良い。パンタグラフもギザギザをいれ、形状も変えたりと、非常に工夫されている。しかし、個性的な外観とは裏腹に、卵形となった車体が、内部を狭くさせており、ずっと乗っているのは圧迫感があって辛い面もあった。だが、それでも東京〜博多間4時間49分に短縮し、飛行機とようやく競争力を付けることが出来た。約10年前は6時間近くかかっていたのだから。
しかし、700系の発展型であるN700系が2007(平成19)年より営業運転開始するのに伴い、「のぞみ」運用から順次撤退しており、2010(平成21)年2月28日に最後の1往復から運用を離脱。同時に東海道新幹線区間から姿を消した。
一方、2008(平成20)年12月1日からは0系に代わって、山陽新幹線のみで「こだま」用として8両編成へ短縮された上で再出発している。この編成は500系7000番台(V編成)として区別され、最高速度は285km/hに落とされている。なお、カラーリングは従来どおり。ちなみに、ユニークな試みとして8号車(新大阪方)に、子供用の擬似運転台を設置した編成が登場している。
また、2012(平成24)年3月17日改正では、岡山→広島間の下り1本で500系「ひかり」運用が初めて設定された。しかし2013(平成25)年3月17日改正で消滅し、500系は再び「こだま」専従に戻っている。
変わり種としては、2015(平成27)年11月7日からV2編成に改装を施した「500 TYPE EVA」が運行を開始。これは山陽新幹線開業40周年と、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」TV放送20周年を記念してコラボしたもので、アニメの監督を務めた庵野秀明氏の監修と、メカニックデザイナーを務めた山下いくと氏によるデザインの下、エヴァンゲリオンをイメージしたカラーリングや内装が施されている。
さらに2018(平成30)年6月30日からは、V2編成を再改装して「ハローキティ新幹線」として運転を開始している。
●500系V編成(8両編成)
8両編成に短縮された500系。大きな変化は無いが、パンタグラフは通常のシングルアーム形に変更。
(写真:山陽新幹線 岡山〜相生/撮影:リン)
驚きのコラボレーションとなったエヴァンゲリオン新幹線「500 TYPE EVA」。V2編成に全面ラッピングを行っている。
(写真:山陽新幹線 姫路駅/撮影:裏辺金好)
「エヴァンゲリオン新幹線」運転終了後、今度は「ハローキティ新幹線」となったV2編成。
(写真:山陽新幹線 姫路駅/撮影:ひょん君)
2022(令和4)年10月28日から2023(令和5)年1月29日まで、京都鉄道博物館で展示されている500系新幹線が「500 TYPE EVA-02」仕様にラッピング。アニメ「新幹線変形ロボ シンカリオンZ」の商品、プラレール「新幹線変形ロボ シンカリオンZ シンカリオンZ 500 TYPE EVA-02」販売開始を記念したもの。
(写真:京都鉄道博物館/撮影:裏辺金好)
●車内の様子(V編成)
子供用の擬似運転台。
(撮影:リン)
先頭車は前頭部の天井が低くなっており、この部分のC席はありません。
(撮影:CH様 禁転載)
そこには荷物置き棚があり、引き出し式のテーブルがあります。
(撮影:CH様 禁転載)
6号車指定席はもとグリーン車の座席が並んでいます。
(撮影:CH様 禁転載)