京阪電鉄3000系
3000系時代の姿。
(写真:京阪本線 関目駅/撮影:デューク)
●基本データ
デビュー年:1971(昭和46)年運行区間:富山地方鉄道
元運行区間:京阪本線、中之島線、鴨東線、大井川鐵道
●長らく京阪電鉄を代表した特急車両
長らく特急車として君臨してきた1900系を置き換えるために登場した京阪の特急車両。世界で初めて自動座席転換装置を装備、カラーテレビを搭載するなど当時としては画期的な車両となった。登場当初は1900系の増備という形で新造されたが、当時冷房化されていなかった1900系よりも冷房車である3000系に乗車しようとする人が増えたために1900系の置き換えとして増備され続け、結果として京阪特急の主役として1900系を置き換えた。
その後、鴨東線の開業の際に新型特急車の8000系が登場。車内のアコモデーションの差が決定的になり8000系の増備が決定されると、一世代前の特急車である1900系のように一般車に格下げされるかと思いきや、1900系の一般車の格下げ改造の際に思いのほか費用がかかった事を理由に順次廃車され、1編成を残して多くの車両が富山地方鉄道や大井川鉄道に譲渡された。
残った1編成は8000系と同等の設備に揃えられたが、それと同時に1両が自社工場で二階建て車両となった。これが好評を得て8000系にも二階建て車両が連結されるようになるなど、現在の京阪特急の二階建て車の基礎を作り上げた車両でもある。
なお、中之島線用の新3000系登場により、2008(平成20)年6月24日をもって8000系へ編入され、8000系30番台に区分されている。そして、このまま活躍を続けるかに見えたが、2013(平成25)年3月31日を以て運転を終了した。そして、8531(3505)号車が登場時の姿に限りなく復元された上で、商業施設である「くずはモール」に設けられた『SANZEN HIROBA』という屋内施設で保存・公開されている。公開にあたっては「デジタル動態保存」として、実際に営業運転されているような演出が行われている。
また、同編成に連結されていたダブルデッカー車両の8831号車は富山地方鉄道へ譲渡され、サハ31に改番の上で既存の編成に組み込まれ、同年8月25日から「ダブルデッカーエキスプレス」として営業運転を開始している。
●車内の様子
(撮影:裏辺金好)
●8000系編入後
下二桁の車番が30番台に区分され、他の8000系とは区別されている。
(写真:京阪本線 墨染駅/撮影:国鉄車両好)
2012年9月29日から、先頭車両を改修前のデザインに変更した「クラシックタイプ」として運行。車番も旧番号が取り付けられたが改番はされていないため、写真では前面左下に小さく黒字で表記。
(写真:京阪本線 関目駅/撮影:裏辺金好)
●ギャラリー
大井川鐡道へは1編成が譲渡。入線から2014年の引退まで、京阪特急色のまま活躍した。晩年は京阪特急マークや「テレビカー」の文字が復活し、有終の美を飾っている。
(写真:家山駅/撮影:リン)
富山地方鉄道では導入してから間もなく、独自の塗装に変更。
(写真:本線 早月加積〜越中中村/撮影:裏辺金好)
富山地方鉄道では、1編成が京阪特急色に復元の上、後に2階建て車両の譲渡を受けて「ダブルデッカーエキスプレス」として観光の目玉としている。
(写真:本線 滑川〜早加積/撮影:リン)